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VOL.67
プロ野球再編
Q 1リーグ制に賛成ですか?
YES  26%
N O 74%
Q オーナー会議での議論は妥当だと思いますか?
YES  17%
N O 83%
プロ野球の1リーグ制への動きには、国民的な議論が巻き起こっています。巨人を除くセ・リーグ5球団は2リーグ制維持への合意案を26日のプロ野球実行委員会に提示する意向です。
1リーグ制への賛否を募集したところ、22日までに661人(男性580人、女性81人)から回答がありました。今回は拡大して主な意見を紹介します。
私も言いたい
■1リーグ 賛成
沖縄県、男性会社員(33)「1リーグ制のほうが絶対に面白いと思う。しかし、日本シリーズがなくなり、シーズン後半には優勝チームがほぼ決まり、ファンの興味が薄れる。もし、日本の優勝チームが、毎年大リーグのワールドシリーズに挑戦できるとしたら、野球ファンは11月まで野球を楽しめる」

千葉県、自営業男性(35)「プロ野球も改革の時期を迎えている。今はその過渡期として一時的な1リーグを支持する。将来はチームを増やし、地方にフランチャイズ制が展開できることを希望している」

大分県、男性公務員(41)「チームが首都圏、関西圏に集中している現状を変えることが大切。仙台や新潟、野球どころの四国にもチームを移転させるべきだ。日本シリーズやオールスターは、東西対決にすればよい。あるいは、1年2期制にしてプレーオフを行うなど方法はいろいろある」

新潟県、男性会社員(46)「このままの2リーグ制で観客が増えるのか。対戦カードやゲームが面白くなるのか。何か変わるのか。答えはノーだ。各球団最低15試合の地方開催の義務化などを実施して1リーグ制から出直しなさい」

静岡県、自営業男性(48)「経営として球団が立ち行かなかったと判断した場合は変革があって当たり前。選手側も改革を望まないなら、年俸を下げる用意があることを申し出ればいい。ファン側の問題としては、もっと観戦に出かけるとか、グッズを買うとか、そういう話があってもよさそうだ」

奈良県、自営業男性(52)「実力のある人がメジャーリーグで活躍し、球界にはスター選手が減っている。12球団を維持する人材は既になく、小さくしてでも魅力を維持すべきだ。また地域密着型を重視し、企業色を排除することも必要」

兵庫県、主婦(55)「パ・リーグの選手はテレビの放送回数が少なく、やる気もなくなる。野球選手の将来を考えると1リーグ制で十分だ」

■1リーグ 反対
群馬県、女子中学生(14)「私は1リーグ制が一番の解決法ではないと思うし、いろいろな人の意見を聞いてから決めてほしい」

東京都、男子大学生(18)「球団がつぶれないように、高騰しすぎた選手の年俸を下げたり、大リーグのようにコミッショナーが放映権を買い取り、各球団に振り分けたらいい。そうすることで戦力が均等になる」

大阪府、女性会社員(26)「人気球団に頼っている限り、1リーグ制になっても根本的なことは変わらない」

滋賀県、男性会社員(28)「買収するという企業もあるのだから、まず12球団2リーグ制を維持し、交流試合の実施を考えていくべき。将来的には、4球団でプレーオフをして日本一を決めるのがいい。それには球団増加も考慮し、削減は絶対すべきではない」

神奈川県、女性会社員(40)「オーナー会議は自分たちの営利を追求しているだけだと思う。一般企業ならそれで良いが、プロ野球が持つ公共性を考えると、球界が発展するように体制を変えるべきだ」

大阪府、女性会社員(44)「2リーグ制維持と近鉄の大阪府民球団としての再生を望む。地域密着型組織にすることで、ファンのすそ野を広げることが観客動員につながる。そしてファンが球団経営に参加する。2軍の試合をもっと見やすい時間帯で、入場料も採算がとれる設定で開催し、将来を背負って立つ選手を応援することが大切だ」

大阪府、男性公務員(45)「現在の日本の経済規模や野球の競技人口から考えて2リーグ12球団維持が不可能ではない。テレビ中継の偏りをなくすことなどで、各球団の経営面での共存体制を図る。将来的には、仙台、新潟、静岡、松山などに4球団を設立し、2リーグ16球団制を提案する。セ・パともに東西に分け、各地区の優勝チーム同士のプレーオフ、そしてその勝者による日本シリーズという構想だ。1リーグ制はプロ野球崩壊への途である」

兵庫県、男性会社員(51)「同じリーグで東西対抗をしてもお祭りに過ぎない。同じリーグでプレーオフしても、ペナントレースの権威がなくなる。2リーグが対抗してこそ盛り上がるのだ」

■ファン
東京都、女性会社員(27)「プロ野球は戦後の庶民の楽しみとして発展してきましたが、今はサッカーや格闘技、ゴルフと楽しみが多くなったので、プロ野球の低落は当然のことです。たくさんの社会が、生き残りのためにリストラや合併を経験してきました。年俸の高騰が続くプロ野球だけが、今のままいけるはずなどありません。プロゴルフなどは勝者のみが報酬を多く得るという厳しい制度です。それなのにプロ野球の選手は、ストライキなどサラリーマンすら忘れたような行動を提起し、話になりません」

大阪府、自営業男性(27)「1リーグ制が悪だとは思っていませんが、移行への手続きがあまりに横暴です。こんなことになってしまったのも、コミッショナーに全くリーダーシップがなかったことが原因の一つだと思います。コミッショナーの権限強化が必要です」

北海道、男性会社員(39)「新規参入したい企業を門前払いにして、自分たちだけで物事を決めることは、日本社会の悪い縮図をみているようだ。いったん白紙に戻し、将来の球界の在り方について選手、ファンの意見を聞いて再検討してほしい。プロ野球はオーナーたちの私物ではないのだから」

埼玉県、自営業男性(50)「経営者、選手双方とも自分の利益だけしか考えていないのではないか。ファンあっての自分たちの存在がまるっきり分かっていない」

愛知県、主婦(53)「旧態依然としたオーナーの考え方は、プロ野球ファンの気持ちとかけ離れているのではないでしょうか。私が考えても、ベンチャー企業ライブドアが発表したファンに対するサービスの提案はきわめて魅力的です」

■オーナーへ
大分県、男子専門学生(29)「あまりにファンや選手を無視した言葉や態度がみられ、腹立たしい。きちんとした説明が、ファンや選手側にない限り、今のオーナー側の考えを認めることはできない。もし来年から1リーグ制がスタートするのなら、私はプロ野球ファンをやめるつもりだ」

神奈川県、自営業男性(32)「まずは、すべての球団が利益をあげられるプロ野球というビジネスモデルを議論すべきだ。その上で1リーグ制しかないというのであれば、仕方がないこと。しかし、ドラフト、FA(フリーエージェント)制、サラリーキャップ制も議論せずに、1リーグ制移行はおかしい。一部の球団の放映権に頼った経営は、数年後に行き詰まる。政治的、経済的影響力を背景に強権を握るオーナーはいらない」

京都府、自営業男性(48)「オーナー会議は会議の形態をなしていないのではないか。オーナーの1人が取り仕切るようではとても公正な会議とはいえない。ファンあってのプロ野球だ。ファンがそっぽを向いたら球団経営は成り立たない」

神奈川県、男性会社員(51)「いまや1企業であっても、その存在は顧客の意向に沿ったものでなければ認められない。前時代的なオーナー会議制度が幅を利かせている限り、プロ野球は衰退の一途をたどっていくだろう。現在、全国で甲子園を目指している野球少年たちの夢をつぶすようなオーナーたちの姿勢には憤りを覚える」

大阪府、自営業男性(56)「個々の利害を超え、本当にプロ野球を愛する企業やグループがオーナーになり、有意義な話し合いで、発展していくプロ野球にしていただきたいものだ」

福岡県、無職男性(62)「12球団ではなぜだめなのか、理由を説明することもなしに、異論を閉じ込めようとする姿勢は社会的責任を有する経営者の態度とは思われない。また球団を買いたい企業の意見をよく聞いて、チームが存続できるものであれば、任せてみるくらいの度量がほしい」

■アイデア
大阪府、男性公務員(38)「放映権収入の公平分配、インターリーグ(全球団総当たり)、選手の年俸抑制、ドラフト完全ウエイバー制、さらにその見返りとしてFA制の年限短縮で、パ・リーグの破綻(はたん)は解決できるはず」

京都府、男性会社員(40)「新規参入制度を確立して球団を増やすこと、地域密着型で地方にあるすばらしい球場を活用し、市民の協力金を募り、ファンも一体になった経営を図るべきだ」

東京都、自営業男性(43)「サッカーを含めて韓国、中国、台湾などを視野に入れ、東アジアリーグ構想が急務である。移動時間も米国内の飛行時間より短いし、地域活性化に十分につながる」

石川県、男性公務員(52)「球団としての経営努力が足りない。球団・選手が一体となったファン集客努力や、ファンと一体になったイベントの実施、試合前のサイン会。地方球場での開催など、ファンが球場に足を運びやすくなる環境作りが必要だ。FAによる一部球団の必要以上の選手獲得や高額年俸制の是正。チーム力均等化のためのドラフトの完全ウエイバー制の導入。放送権料のコミッショナーへの吸い上げによって、放送のない球団への分配。企業名によるユニホームロゴの廃止。数えていけば、改善点はまだありそうだ」

■大阪商工会議所・小池俊二副会頭
野球は国民的なスポーツで、高校野球が底辺にあり、大学、社会人、そして頂点にはプロ野球があり、青少年に与える影響はとても大きい。

現在のプロ野球球団で経営が健全に行われているのは、12球団のうち数球団しかなく、サッカーなどの人気上昇の中で経営が保てるかどうか疑問だ。球団は質の高い一つの企業としての自立を目指し、その観点から今回の近鉄とオリックスとの合併を機に、1リーグ制に移行すべきだろう。

一部の人気球団に収益が集まることは、プロ野球全体の首を絞めることとなり、放映権などの問題も含め公平な制度の確立を望む。また、日本シリーズは1年を2期に、また、オールスターゲームは東西に分けて競う方法など1リーグ制でも、プロ野球の魅力は発揮できる。国際的な流れの中で、韓国や台湾などとのリーグを設立させることも試みる必要がある。

■ノンフィクション作家・吉永みち子さん
理想は2リーグ制。だが、現状の体制では球団経営は破綻し、滅びるだろう。1リーグ制移行は、一時的には楽になるが、長い目で見れば先細りの一途だろう。

プロ野球はかつて最大の娯楽だった。それがだめになった原因は何か。球界を活性化するためにどんな努力をしてきたのか、全球団に問いたい。どこがいけなかったのか、どうすればファンが集まってくるのか、根本に立ち返らない限り、球界の構造改革は進まない。

ファンは喜びを与えられることに満足してきた。Jリーグ発足で、サポーターの概念が入ってきたが、今後はファンが意識を変え、いかにチームを支えるかにかかっている。球団、選手、ファンが一丸となって、どうしていけばいいのかを検討する必要がある。

今回のことは、野球が本当の意味で日本に根付いたのかが分かる試金石になるだろう。
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