私もいいたい
VOL.226
アニメは学問?


Q 国立大学での設置に賛成ですか?
YES 49%
N O 51%
Q 作家、監督の育成につながると思いますか?
YES 45%
N O 55%
Q アニメを学問として認知することに抵抗はありますか?
YES 47%
N O 53%
東京芸術大学(宮田亮平学長)が大学院の映像研究科にアニメーション専攻を新設する方針です。大学設置審議会で決定すれば来年度から設置されます。25日までに155人(男性121人、女性34人)から回答がありました。主な意見は次の通りです。
偏差値偏重に一石
 大阪・男性会社員(36)「私がアニメ制作にかかわっていたときには、周囲から、気楽に作っていると思われがちだった。国立大にアニメの専攻を設置し、アニメは大勢の技術と経験、労力などに支えられて作られていることを伝えてほしい」

 滋賀・男子大学生(20)「師匠から技を盗むという能動的な養成システムが日本のアニメの隆盛を築いてきた。学問として上から与えられる教育制度では、創造性が失われるのではないだろうか」

 東京・男子大学生(22)「経済効果や海外の日本のイメージ向上に貢献する点などを考慮すれば、アニメは国が取り組むべき産業といえる。もっと早く国立大に新設すべきだった」

 岐阜・主婦(55)「アニメでは、絵でストーリーを解釈できる場合もあるので、活字離れを促し、思考力の低下に結びつく可能性があると思う。国立大に専攻を設置するのは好ましくない」

 大阪・主婦(32)「活字離れが進んでいるといわれるが、アニメで活字に触れ、創造し、共感する子供たちもいるのではないか。ユニークな入試にすれば、偏差値偏重といわれる教育現場にも一石を投じるだろう」
異分野勉強も大切
 京都・男性無職(67)「手塚治虫は、医学の分野を学び、見事に、その能力をアニメの世界で開花させた。アニメの世界とは縁のなさそうな分野を学ばせた方が、有能な監督や作家を輩出するのではないか」

 大阪・女性会社員(28)「大学で研究した人が、必ず、作家や監督になるとは思わない」

 東京・男性無職(28)「アニメも表現活動のひとつなので、絵画や文学と同様に、大学で学ぶことができるジャンルだ」

 茨城・男性会社員(46)「日本ではすでにアニメを作る能力は高いレベルに達している。監督や作家よりも、アニメを海外へ販売したり、著作権を守る能力や人材開発に力を入れるべし」

 神奈川・女子高校生(18)「アニメは今や世界的にも日本の文化のひとつとして認められるようになった。国立大が監督や作家を育成すれば、さらなる日本文化の発展につながると思う」
権威主義はノー
 千葉・男性自営業(36)「アニメに対する一部の偏見をなくすため、国立大が学問として体系化することに意義がある。硬直化している既存の学問の是非を論じる良い機会にもなるかもしれない」



 鹿児島・女性会社員(38)「国立大で新設すると、アニメの世界でも権威や大家、派閥などが幅をきかせるようになってしまうのではないだろうか。作家や監督の才能がつぶされないか心配だ」



 徳島・男性公務員(51)「アニメにも、さまざまな種類があり、人々を感動させる作品があることは理解しているが、国立大で学ばせることには抵抗を感じる」



 大分・女性会社員(40)「すでに将来性を見越してアニメーション関係のコースを設置している私立大や専門学校はある。アニメは学問として広く認知されていると思う」



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