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「私の頭の中の消しゴム」主演2人に聞く
10月11日(火) ENAK編集部
幸せな夫婦に訪れる突然の悲劇。妻が若年性アルツハイマーと診断される。別れでもなく、死でもなく、忘れることで愛が終わっていく。そんな悲劇の2人を演じた韓国映画界の若手演技派俳優、チョン・ウソンと、“韓国映画の宝石”と称されるソン・イェジンに話しを聞いた。

≪工事現場で働く無愛想な大工、チョルス(チョン・ウソン)は、コンビニで、おっちょこちょいだが純粋さが魅力のデザイナー、スジン(ソン・イェジン)と出会う。やがて恋に落ち、結婚する2人。チョルスは建築家となってスジンと幸福な生活を送っていた。だが、スジンは自宅への帰り道に迷ったり、チョルスのお弁当にご飯だけを2つ包んでしまったりと物忘れが次第に激しくなっていく。不安から診察を受けるスジンは若年性アルツハイマーと診断される。チョルスの献身的な支えのなかでゆっくりと記憶を失っていくスジン。やがて愛する夫すら分からなくなっていく…≫

メロドラマに出演したかったんです チョン・ウソン
−−「私の頭の中の消しゴム」に出演した理由は?
チョン・ウソン
(C)藤沢大祐
私はもともと、この映画のような、真剣なラブストーリが好きだし、メロドラマに出演したいと思い続けていました。そこへちょうど、この映画の話が飛び込んできたというわけです。

−−シナリオを読んだとき、どう感じたか?
すごく感動しました。私が出演するかどうかが決まる前に、こんな脚本ができたことを祝福したくて監督に電話をしたぐらいです。私の思いをもっと伝えたくて、結局その日の夕方に直接会い、ワインで乾杯しながら、自分で演じたいという意思も伝えた。それで、こうなったわけです。

−−演じた「チョルス」はどんな人物?
一生懸命に勉強して建築家になる夢をかなえた。幼いときに母親に捨てられたので、愛を信じず、愛など傷つけ合うだけのものだと思いこんで育った。しかし、スジンと出会い、与えてくれる愛やさまざまな感情にひかれて結婚する。やがて母さえ許せるようになる。ものすごくたくさん、本当にたくさんのことをスジンからもらい、学ぶ。これはそういう映画です。

−−涙の演技が素晴らしかった
それは、多分チョルスが与えてくれる力ですね。チョルスやスジンが作り出す状況、彼らが直面している状況を自分のものにすると、涙の演技が容易になりますね。私自身の感情として自然に涙が出る。何か悲しい出来事を思いだしたりしなくても、彼らが直面している状況のために悲しくなる。

−−ソン・イェジンについて
呼吸はよく合っていたと思います。年が若いにもかかわらず、もちろん若く見えると思いますが、成熟した雰囲気を持っている女優だと思う。これからもすごくいい仕事をしていくでしょう。


今は切ないほどにスジンが懐かしいんです。 ソン・イェジン
−−演じた「スジン」はどんな人物?
27歳ぐらいの女性でとても明るく、純粋で健康。精神的にもすごく健康で楽天的な性格なんです。1人の男性と出会い、愛し、結婚して、その後は悲しみがくる。時にはすごく子供みたいに、時には母親のような温かさをもつ。いろんな面をもった女性だと思います。

ソン・イェジン −−感情表現の演技の難しい点は?
アクション演技の場合、肉体的な苦痛と精神的な苦痛とがあると思いますが、全力を出せばいいじゃないですか。だけど、メロドラマの演技は感情に重点が置かれるので、全力を出し尽くしても、その感情が出てこなければ駄目なんです。感情をコントロールするのって大変な消耗になります。感情を高ぶらせる場面を撮った後は、ほとんど何も考えられなくなって虚脱状態のようにまでなるんです。

−−チョン・ウソンについて
大きな声では言えないんですが、私はかなり後輩じゃないですか。後輩ですが、お互いの呼吸が合うことが大事なので、たくさん会話をしました。監督も含めて話し合いもたくさんしました。先輩はいい話をたくさんしてくれました。「こういうときは、スジンの感情はこうじゃないかな」と私の足りない部分を補ってくれました。先輩のおかげで自分の演技が、よりよいものになった。そういう意味で、彼との共演はとてもよかった。

−−改めて、スジンを演じてみて?
スジンは私よりも純粋で明るく、健康な精神をもっている。いつも「ああ、私もこうだったらいいのに」「スジンが私の中に入り込んでくれたらいいな」という思うことがたびたびありました。スジン。チョルスもそうですが、今は思い出すとあまりにも切なく、懐かしい。撮影終わってから先輩(ウソン)に、こう言いました。「スジンはチョルスをとても懐かしんでいる。そう伝えてください」。この映画のことは、忘れられないと思います、永遠に。


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