産経新聞ENAK アーカイブ
フジ系「優しい時間」出演 長澤まさみに聞く
この記事は平成17年元日の東京朝刊に掲載されたものです

平成12年1月、スター女優への登竜門「第5回東宝シンデレラ」オーディションで3万5000余人の中からグランプリを獲得したのが12歳のとき。同年、映画「クロスファイア」の超能力少女役でデビューし、翌々年はNHK連続テレビ小説「さくら」にレギュラー出演。15年には初主演作「ロボコン」をはじめ4本の映画に立て続けに出演。そして昨年は大ヒット映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で白血病の主人公を入魂の演技で見せた。

長澤まさみ

5年の間に女優の階段を一気に駆け上がった感があるが、「結構長かったし濃かったです。最初の1年は静岡から東京に通って、中2になると同時に寮生活を始めたりとか…」と、10代前半で迎えた人生の一大転換を振り返る。

「でも、大変じゃなかったです。みんながみんなできることじゃないし、好きなことをやれているわけだから…」

めっぽう明るい笑顔で話し、印象に残る作品として「さくら」と「ロボコン」をあげる。

「『さくら』では、劇団生みたいにお芝居とはこういうものだということを一から教わったし、『ロボコン』は初主演だったから芝居の技術はないけど、やる気だけは一番でいこう! って。すがすがしい青春映画で、今でも一番好きな作品です」と正直で分かりやすい。

今年はの幕開けは、脚本家、倉本聰が「北の国から」に続いて北海道・富良野を舞台に描くフジ系「優しい時間」(13日から、木曜午後10・00)。人と人の絆、人間の本当の優しさを問いかけるドラマで、主人公の勇吉(寺尾聰)が経営する喫茶店「森の時計」の従業員、梓にふんし、勇吉の息子・拓郎(二宮和也)と純愛を演じる。

昨年12月に始まった富良野ロケは3月上旬まで断続的に敢行。

「みんなで同じ場所に泊まってゆっくり時間をかけて撮る映画みたいな現場が好き。自分のことしか考えない梓のことを最初は好きになれなかったけど、隠し事ができない彼女がだんだんいとおしくなりました。連ドラの台本の1ページめに自分の名前が載るのは初めてなので『がんばります』とか『努力します』という言葉は好きではないけど、でもがんばります」

「友達とワイワイしゃべっているのが一番楽しい」と17歳のあどけない素顔を見せる一方で、「プロですから結果を出したい」と凛とした表情。時折のぞかせるまなざしには大人の色気も…と、表情が実に豊か。 今年の東宝カレンダーでは史上最年少で表紙(8月も)に抜擢され、“本物のシンデレラガール”を証明する年になる。

»ページの上に戻る