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収録曲

1.手紙 <シングル・ヴァージョン>
2.SING
3.手紙 <オリジナル・カラオケ>
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最近、手紙を書きましたか? だれかから手紙をもらいましたか? シンガーソングライター、諫山実生の新シングルは「手紙」。家族を思い書いた歌。電子メール全盛の時代だから、紙に手書きの手紙は、より大きな意味をもつのかもしれない。ちょっとさびしげなハスキーな歌声が、そんなことを考えさせる。ENAK編集部は、諫山に話を聞いた。

text & photo by Takeshi Ishii/石井健
── 最近、手紙ってあまり書く機会がないです。また、若い人も手紙離れをしているのではないかと推測するのですが、そんな時代にあえて手紙を題材にしたのは?

■諫山実生:そうですか? 私自身は手紙をよく書くんです。女子校に通っていたせいか、授業中にメモを書いて回したりすることも多かったですし。思いを文字にして伝える行為は、私にとっては身近なんです。子供のころから、思いを言葉にするのが苦手だったということもあります。顔を見ちゃうとうまく話せないような、内気な子供でした。だから、手紙を書くことが多かったのかもしれません。今でも、思いを伝えたいときは、手書きの手紙を書きます。そして、手紙を出すと、たいていの人は手紙で返事をくれます。そこに温かみがある。

──引っ込み思案の少女が、どういうきっかけで人前で歌う仕事をしようと思ったのですか?

諫山実生 ■諫山:ほんとうに私は目立ちたくない人、でした。ただ、音楽が好きで孝行では軽音楽部に在籍していました。あるとき、顧問の先生があるボランティア活動のキャンペーンソング募集に応募してみないかとおっしゃったんです。「共に生きる」というテーマでした。不特定多数の人に向かって詞を書き、歌うなんてすごいことだと思いました。そして、そうか、歌にすれば何かを人に伝えることができるのだと気づいたのです。それで歌を作り、テープに吹き込んで応募しました。これがきっかけですね。

──結果はどうだったのですか?

■諫山:落選でした。歌詞は今考えると、「世の中は、なぜこうなの?」といったクサイ内容でした。ところが、それがかえってよかったのか、主催者のボランティア団体の方から、「若い息吹を感じました」という内容のお手紙をいただいたんです。落選はしたけれど、私のいいたいことはちゃんと伝わるんだと感動してしまって。音楽でなら私にだって何かできるのではないか。何かやりたいな。人に気持ちを伝えることは恥ずかしいとためらい続けていたのに、歌で伝えてみたら、こんなに気持ちのいいことなのかと。だれかとつながっている感じがして。

──シンガーソングライターになるそもそものきっかけもまた、手紙だったんですね?

■諫山:そうです。この経験もまた、「手紙」という歌を作る動機になっていますね。人を思うということは手紙をかくということ。

──なるほど。曲自体はどのようにしてできたのですか?

■諫山:サビの「遠く/遠く」の部分がまず、歌詞と旋律とが一緒になって出てきて、そのとき、手紙を題材にした歌にしようと考えました。この歌の場合、メロディがとてもシンプルなので、そこに乗せられる言葉数も限られる。少ない言葉で果たして思いを伝えられるか、で苦労しました。聴く方の共感を得られるような歌詞を書きたかったし。今いったように、私は思いを言葉にして伝えられない。言えないことを手紙にする。ふだん言えないようなこと。相手を大事に思う気持ちなどを。この歌の場合は、家族を思いながら書きました。家族を大事に思う気持ちを歌にしました。ただ、聴いてくださる方は、たとえば恋人を大切に思う気持ちとして聴いていただいてもかまいませんし、もちろん、家族への思いとしていただいてもよいでしょうし。

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