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SUMiRE MEMO
8月29日(月) ENAK編集部
公演の詳細は公式サイトでご確認ください

連載 産経新聞における主な塚関連連載記事は次のとおりです。

・大阪本社が発行する毎週金曜日夕刊の「タカラジェンヌ 夢の軌跡」

・大阪本社が発行する毎月第2火曜日の「宝塚ファンタジア 夢の小部屋」

番組表 東京版朝刊TVメディア面のBS・CS欄にはCSチャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の番組表と解説を毎日掲載しています。

僚誌 月刊「TVnavi」に「Stars of TAKARAZUKA」を連載中。
ENAK編集部
編集局文化部
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「ベルサイユのばら」製作発表
現在のタカラヅカで、最高のベルばらを
宝塚歌劇団は29日夕、東京都内のホテルで「ベルサイユのばら」の製作発表会見を行った。星組がフェルゼンとマリー・アントワネット編、雪組がオスカル編を、それぞれ来年上演するもので、両組のトップコンビのほか花、月組からの特別出演者も含め総勢11人のタカラジェンヌが勢ぞろい。華やかな会見となった。原作者の漫画家、池田理代子も出席したが、同日は初演時の初日と同じ日付(昭和49年8月29日)とあって、製作側も感慨深いようすだった。

みんなでニッコリして撮影


会見に出席したタカラジェンヌは、星組=湖月わたる、白羽ゆり、安蘭けい。雪組=朝海ひかる、舞風りら、貴城けい、水夏希。花組=春野寿美礼。月組=瀬奈じゅん、霧矢大夢、大空祐飛。

「ベルばら」はタカラヅカ史上最高のヒット作で、2度再演され、延べ上演回数は1446回、観客動員数は356万4000人にのぼる。今回は、平成13年以来5年ぶりの再演になる。

会見会場入り口では衣装姿の看板が報道陣をお出迎え
会見会場入り口では衣装姿の看板が報道陣をお出迎え


脚本と演出家の植田紳爾は「初演以来、何度も再演をしてはどうかという話をいただいたが、前回を上回る自信がなければしないと決めていた。それが結局、再演時(平成元〜3年)はフランス革命200周年にあたり、再々演時は東京宝塚劇場の新装(13年)。そして今回はマリー・アントワネット生誕250周年にあたる。『ベルばら』の再演は、私たちが何かを決めたというのではなく、大きな力によって常に後ろから押されて実現しているような気がする」と話した。

そのうえで植田は「現在のタカラヅカで、最高のベルばらを作る。ぜひ、ご覧いただきたい」と自信を示した。

11人のジェンヌに関係者が加わってのひな壇は、こんなに横長に…。カメラマンはみな撮影に四苦八苦…
11人のジェンヌに関係者が加わってのひな壇は、こんなに横長に…。カメラマンはみな撮影に四苦八苦…
11人での「愛あればこそ」合唱を撮影するとこんなふうに…
11人での「愛あればこそ」合唱を撮影するとこんなふうに…


植田はまた、「今回は3回上演する機会を与えられたので、それにふさわしいものにしたい」との考えを示した。星、雪組の大劇場・東京公演に今年9月24日からの星組全国ツアー版を加えての構想だ。植田によれば、星組全国ツアー版はトップスター、湖月わたる演じるフェルゼンに焦点を当てる。フェルゼンがマリー・アントワネットと初めて会うところから描く。大劇場・東京公演の星組版では生誕250周年のマリー・アントワネット(白羽ゆり)とフェルゼンという描き方を目指す。アントワネットが結婚する場面から始める。そして、雪組版ではトップスター、朝海ひかる演じるオスカルに思いを寄せるロザリー(舞風りら)の存在に、従来になく光を当てることで新風を吹き込みたいとしている。

わたるさん コムさん おささん
湖月わたる(星組) アンドレを演じるのが夢でしたが、これは2001年版でかないまして、今、フェルゼンを演じることになり、フェルゼン派になりつつあります 朝海ひかる(雪組) 池田先生の漫画を読んで以来、オスカルにあこがれ続けていました。雪組版のみどころは湖月さんはじめ(役代わりで)素敵なアンドレが5人も出てくるところ 春野寿美礼(花組) 「ベルサイユのばら」といいますと、宝塚大劇場の3階席から観劇して感激していた思い出が強いです(雪組版大劇場公演のみ特別出演)


雪組版についてはまだ脚本ができていないとしながら、植田は「ロザリーという少女は、オスカルは男装の麗人だと知りながら思いを寄せ、しかし、相手が女性ゆえに思いを告げられずにベルナールという男性と結婚する。そのロザリーの気持ちの美しさ、哀しさをうまく描ければ。そうすることによってオスカルをよりはっきりと描くことができる。宝塚らしい愛の物語ができるのではないか。ひとえに原作に厚味がるため、さまざまな視点から描くことができる」と説明する。

あさこさん とうこさん かしげさん
瀬奈じゅん(月組) 宝塚に入った以上、1度は出てみたい。それが「ベルサイユのばら」でした。アンドレはぜひやりたかった役。とてもうれしいです。楽しみにしています(雪組版大劇場公演のみ特別出演) 安蘭けい(星組) 「ベルサイユのばら」は3度目です。今回はオスカル(星組版東京公演のみ)とアンドレ。しかも、(星組版大阪公演では)オスカルは5人で役代わり。どうなるか楽しみです 貴城けい(雪組) 「ベルサイユのばら」は初めて。しかも今回はオスカル(星組版に特別出演)とアンドレを演じ、とても貴重な経験に。1度は出たいと思っていた作品に出ることができてうれしいです


今回はまた、アントワネットが作曲したとされる楽曲を使用する。アントワネットが書いたとされる作品は少なくとも12曲が現存しているという。星組版では1曲。雪組版にはアントワネットは登場しないので劇中ではなくフィナーレで使いたいという。なお、アントワネットが出てこない「ベルばら」は過去、3年の月組版(オスカル=涼風真世)があり、今回の雪組版は「それをさらにふくらませたもの」だと植田はいう。

みずさん きりやん ゆーひくん
水夏希(雪組) 「ベルサイユのばら」を観て宝塚に入りたいと思ったので、2001年版に出ることが決まったときはひっくり返るほど驚きました(雪組版でアンドレのほか星組版に特別出演) 霧矢大夢(月組) 「ベルサイユのばら」はイベントで少しやっただけでした。今回どっぷりと浸れるのでうれしいです。安蘭さんのアンドレをひざに乗せるのですが、大丈夫かな(星組版大劇場公演のみ特別出演) 大空祐飛(月組) 私も1度は「ベルサイユのばら」に出たかったのでうれしいです。みなさんそれぞれ強烈なイメージをお持ちのオスカルを演じることに、今までにない緊張感を味わっています(星組版大劇場公演のみ特別出演)


なお、星組全国ツアー版は11月に韓国公演も行う。字幕を使用するため、日本人ならではの心情表現に関するせりふはカットする予定だという。「日本で受けた韓流ドラマを見ると、やはり愛こそは人間の普遍的なテーマなのだと思う」と、韓国でもベルばらは十二分に理解されるとの自信を示した。池田も「実際、韓国、イタリア、ドイツのファンからもメールをいただいている」と原作漫画がすでに国境を越えて広く読まれているという。池田は「韓国公演は、世界のタカラヅカによる世界のベルばらに飛躍するきっかけになるのではないか」と期待を寄せている。

となみちゃん まーちゃん 原作者、池田理代子
白羽ゆり(星組) 宝塚の存在を初めて知ったのが「ベルサイユのばら」でした。アントワネットのドレス姿にあこがれて宝塚に入りましたので、その役をいただけて幸せです 舞風りら(雪組) ロザリーはピンクのばらの人、ということできょうはピンクを着てきました。学生時代、毎日のように立ち見で観て、フィナーレの踊りはすべてそらんじてしまったほどです 池田理代子(原作者) 前回の会見では理事長はお父様(小林公平)でらしたのに、きょうはご子息(小林公一)でらっしゃる。時間の流れを実感します


池田はまた、「初演時は私は26歳で、きょう並んでいるスターさんたちと変わらなぐらいだったことを考えると感無量です。下級生のころから注目していたスターさんが成長していくのを見守るのもタカラヅカの楽しみのひとつですが、私が以前から注目していた方々とこうして壇上で並んで会見するような時代になりました。今回、ポスターを作りましたが、自由にスターさんの顔写真をちりばめる作業は、すごく楽しかった」と笑顔で話した。

会見後の懇親会場で池田理代子デザインのポスターに見入る朝海ひかるら。ところで、会場ですれ違いざまにまーちゃんに激突してしまったのはENAKのスタッフです。申し訳ございません。こちらが謝るより先に「大丈夫でいらっしゃいますか」とまーちゃん。自然と気配りの言葉が出てくるまーちゃんに、恐縮しきりです
会見後の懇親会場で池田理代子デザインのポスターに見入る朝海ひかるら  


もうひとりの演出家、谷正純は「初演時、私は歌劇団にはいなかった。私が入ったときは生徒全員がベルばらを経験していた。ベルばらを知らずして宝塚の人間とはいえないと生徒たちから徹底して教わった。今はベルばらを経験していない生徒がたくさんいる。こんどは私が、あのころの熱気を今の生徒たちに伝えたい」と意気込みを話した。

また、協賛企業である三井住友カードの栗山道義社長は「男もほれるといわれるフェルゼンを円熟味に磨きのかかった湖月さんがどう演じるか。華麗なダンスと繊細な演技の朝海さんが男装の麗人をいかに見せてくれるかを楽しみにしている」と、ひとりのファンとしての立場から期待を寄せた。

会見後の懇親会−−といっても、報道陣には取材の場。スターが登壇すれば、こんな風景になります
会見後の懇親会−−といっても、報道陣には取材の場。スターが登壇すれば、こんな風景になります


会見後、湖月、朝海らが歌を披露。最後は11人のタカラジェンヌ全員で「ベルばら」を代表する名曲「愛あればこそ」を合唱した。

星組公演は来年元日から宝塚大劇場で(2月6日まで)、2月17日から東京宝塚劇場で(4月2日まで)。雪組公演は同2月10日から宝塚大劇場で(3月20日まで)、4月7日から東京宝塚劇場で(5月21日まで)。







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