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SUMiRE MEMO
5月22日(日) by ENAK編集部
公演詳細は公式サイトで
連載 産経新聞における主な塚関連連載記事は次のとおりです。

・大阪本社が発行する毎週金曜日夕刊の「タカラジェンヌ 夢の軌跡」

・大阪本社が発行する毎月第2火曜日の「宝塚ファンタジア 夢の小部屋」

番組表 東京版朝刊TVメディア面のBS・CS欄にはCSチャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の番組表と解説を毎日掲載しています。

僚誌 月刊「TVnavi」に「Stars of TAKARAZUKA」を連載中。
ENAK編集部
編集局文化部
月組トップスター、彩輝直さよなら
宝塚は心のふるさと さわやかに
宝塚歌劇団の月組トップスター、彩輝直の退団公演「エリザベート〜愛と死の輪舞(ろんど)〜」が22日、東京宝塚劇場(東京・日比谷)で千秋楽を迎え、彩輝は平成2年から15年間在籍した宝塚歌劇団を去った。

さわやかな笑顔は、雨をもやませた=東京宝塚劇場前
さわやかな笑顔は、雨をもやませた=東京宝塚劇場前


力の入った千秋楽の公演に続いてサヨナラショーに臨んだ彩輝。ショーの開始とほぼ同時に雨が落ちだし、劇場の外ではサヨナラパレードをひとめ見ようとかけつけたファンが広げた傘の花がたくさん咲き始めた。

さえちゃん 笑顔でサヨナラパレード


「ベルサイユのばら2001−フェルゼンとマリーアントワネット編」の「愛の巡礼」から始まったショーの掉尾を飾ったのは「愛しているからさよならを(I'd rather leave while I'm in love)」。米のリタ・クーリッジらが歌い、ヒットしたポップス曲だ。演出家の小池修一郎に勧められて選んだという。純白のタキシード姿で大階段を降りてきた彩輝は、大きく胸で息をし、そして静かに歌い始めた。愛しているうちに旅立とう。万感の思いの込められた歌声に、客席はいっせいにペンライトを振った。大劇場のサヨナラショーの際は、別れの寂しさで感傷的になってしまったというが、この日は「心からの感謝の気持ちを込めて、笑顔で歌えたと思います」。歌い終わると、記憶に焼き付けようとするかのように客席の隅々へと目を向けた。

さえちゃん 笑顔でサヨナラパレード


サヨナラショーが終わると舞台上であいさつ。組からと同期生から花が贈られたが、同期生は元雪組娘役トップ、月影瞳が駆けつけた。月影は胡蝶蘭を渡しながら何事か彩輝に耳打ち。2人は楽しそうに笑い合った。宝塚大劇場では専科の樹里咲穂が花を渡しながらやはり耳打ちしていたが、「同期生にしか分からないことなので、あえて内容は申し上げません」とか。

サヨナラショーが始まったときには雨が降っていたが…=東京宝塚劇場前
サヨナラショーが始まったときには雨が降っていたが…=東京宝塚劇場前
そして「すがすがしい気持ちで幸せです。タカラヅカでの経験は、私の宝物として深く心に刻み込まれています。すべてのみなさま、愛する仲間たちに心からの感謝の気持ちを込めまして、ありがとうございました」と短く、しかし力強い挨拶で、15年の男役生活を締めくくった。

全員で「すみれの花さくころ」を歌った後、5度のカーテンコール。客席はスタンディングオベーション。最初に緞帳(どんちょう)が上がったとき彩輝は、次期トップスター、瀬奈じゅんの背中を押して「これからの月組をよろしくお願いします」と観客に伝える心遣いまで見せた。2度目。「きょうのことは一生忘れません」。3度目。「本当に、本当にありがとうございました」。4度目。「明日からの新しい道を歩む勇気をいただきました」。5度目。「本当に幸せな時間をありがとうございました」。

「タカラヅカはわが心のふるさと」と記者会見で述べた彩輝直=東京宝塚劇場
「タカラヅカはわが心のふるさと」と記者会見で述べた彩輝直=東京宝塚劇場
続いて劇場内で緑の袴(はかま)姿で記者会見。「つとめあげた安心感と同時に、1日中“夢の中の現実”にいたような気分でした」と、“最後の日”を総括した。自分にとってタカラヅカとはなんだったか? の問いに「わが心のふるさとだと思っています」と、さわやかに語った。すがすがしさに、まったく涙を見せないが−−という質問も飛んだが、「そんなことはありません。声が震えてしまうのではないか、と思う瞬間が何度かあったんですよ」と胸の内を明かした。

東京宝塚劇場前には雨にもかかわらず、約8,000人のファンがつめかけた。予定より10分遅れて午後7時過ぎに彩輝が劇場から出てくると、降り続いていた雨がやんだ。太陽のような笑顔の彩輝は、劇場前の沿道を埋めたファンに何度も手を振り、最後は投げキッスで去っていった。

退団後の彩輝は8月に東京で上演されるミュージカル「THE PRODUCERS<プロデューサーズ>」で女優としてスタートを切る

なお、この日は娘役で抜群の歌唱力を誇った美々杏里、男役若手の麻吹由衣加も退団した。今回の公演でもショーのフィナーレで最初に大階段を降りてきて歌うエトワールを務めた美々は、「私はこんなにもタカラヅカが好きなんだ、と今改めて実感しています。みなさまの愛に照らされていたから、ここまでたどり着けたと感謝しています」と挨拶した。





彩輝直サヨナラショー
1 愛の巡礼 宙組「ベルサイユのばら2001 フェルゼンとマリーアントワネット編」 彩輝直
(オスカル)
宙組「ベルサイユのばら2001 フェルゼンとマリーアントワネット編」の映像
2 白ばらの人 宙組「ベルサイユのばら2001 フェルゼンとマリーアントワネット編」 彩輝直
(アンドレ)
3 青きドナウ〜愛あればこそ 星組「ベルサイユのばら2001 オスカルとアンドレ編」 美々杏里、初風緑
4 ガルーダ 月組「ジャワの踊り子」 彩輝直、大空祐飛、北翔海莉ほか
5 桃の花 星組「我が愛は山の彼方に」 紫城るい
6 チュルクの恋 星組「我が愛は山の彼方に」 彩輝直、紫城るい
7 夕映えの飛鳥 月組「飛鳥夕映え」 彩輝直
8 カリビアン・ナイト 月組「タカラヅカ絢爛II」 月船さららほか
9 陽は又昇る 月組「タカラヅカ絢爛II」 彩輝直
10 陽は又昇る 月組「タカラヅカ絢爛II」 彩輝直、瀬奈じゅん、霧矢大夢ほか
11 月の光 絢爛 月組「タカラヅカ絢爛II」 瀬奈じゅん
12 愛しているからさよならを(I'd rather leave while I'm in love)   彩輝直ほか





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