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宝塚歌劇団などの事業再編提案へ
投資会社が阪急ホールディングスの筆頭株主に
1月10日(火) 大阪夕刊
投資会社のプリヴェチューリッヒ企業再生グループが、阪急電鉄や東宝を傘下に持つ阪急ホールディングス(HD)の株式を5・01%保有し、筆頭株主に躍り出たことが10日、同社が提出した大量保有報告書で分かった。今後も買い増しを進め、阪急HDに系列の東宝との経営統合や映画・演劇事業の再編を提案するなど、経営にも積極的に関与していく方針で、阪急東宝グループは対応を迫られそうだ。

プリヴェは約340億円を投じて、先週末までに阪急HD株5227万株を市場で取得。経営へ関与するため現在、阪急HDの角和夫社長に面会を申し入れている。

阪急HDと東宝の統合以外に、宝塚歌劇団や全国の映画チェーン事業を再編した新たなコンテンツ(情報の内容)会社を設立し、上場させることも提案する意向だ。

阪急HDは、阪急電鉄グループの純粋持ち株会社として昨年4月発足。阪急電鉄と、傘下のレジャー、不動産、ホテル、旅行各事業を統括している。また、持分法適用のグループ会社として阪急百貨店グループや東宝グループがあり、これらをあわせた阪急東宝グループの売り上げ規模は、平成17年3月期で1兆4997億円に上る。

大阪・梅田を中心とした不動産資産や、宝塚、東宝の優良コンテンツなどを持つ阪急HD株は割安感が高まっていた。

角社長は10日朝、「(提案があれば)有効なものは実施するが、中長期での企業価値向上を目的に中期経営計画を打ち出しているので、その旨を説明する」と話した。

プリヴェは、不動産や有力事業を持つ電鉄株の取得に積極的で、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの大株主である京成電鉄株も取得。10日までに買い増しを進め、実質的に8・69%を保有したことも分かった。

阪急ホールディングス
関西の大手私鉄である阪急電鉄グループの純粋持ち株会社。東京、大阪両証券取引所の各1部に上場している。昨年4月に旧阪急電鉄から移行した。阪急電鉄や阪急交通社、ホテル経営会社の阪急ホテルマネジメントを中核に、「電車男」がヒットした映画配給会社の東宝や、宝塚歌劇団も傘下に有する。旧阪急電鉄だった昨年3月期連結決算は売上高が4766億円、純利益は過去最高の260億円。

プリヴェチューリッヒ企業再生グループ
複数の外資系証券でトレーダーとして活躍した松村謙三氏が平成9年8月、前身の証券会社を創業。最近は企業価値の向上を目的に上場企業株の買収を進め、丸三証券など複数の中小証券のほか京成電鉄株も買収。過去には富士通や東武鉄道、日産自動車から不採算事業を買収して子会社化し、経営再建している。


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