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宝塚大劇場雪組公演「ベルサイユのばら〜オスカル編」評
宙舞う演出、絵と重なり躍動
平成18年3月2日(木) by 大阪夕刊 平松澄子
雪組トップスター、朝海ひかるが演じるオスカルは、かわいくて、凛々しくて、はかなさが漂う、期待以上の適役。ブームに沸く宝塚大劇場公演「ベルサイユのばら−オスカル編」は、原作の劇画(池田理代子作)が生み出した男装の麗人が、そのまま舞台で躍動しているよう。1幕の終わりに愛らしいペガサスに乗って宙を舞う単純なけれんが、絵とピッタリ重なり大ウケだ。

オスカルはフランス王家を守るジャルジェ伯爵家の6女として生まれ、男の子として育てられた。舞台は乳母の孫のアンドレがジャルジェ家に引き取られるシーンから始まり、子供の2人が剣の練習をしているうちに大人に入れ替わり、時代は一気にフランス革命(1789年)の直前に。近衛隊から衛兵隊へ転属したオスカルは、荒くれ男たちの隊士やその家族たちとの交流で市民の困窮ぶりを実感し、市民側に立ってバスティーユの戦闘へと向かう。

前の星組公演とは違って、実在の王妃マリー・アントワネットやフェルゼン伯爵は登場しない、大胆な省略法。オスカルはずっと見守ってくれていたアンドレとの愛に目覚めるが、2人は革命に散る。そしてラストは、強く結ばれた2人がガラスの馬車で天国へ駆けていくという、お決まりの名シーンが続く。

今回は、娘役トップの舞風りらが演じるジャルジェ家の小間使いロザリーの役をふくらませ、オスカルを慕って幻想の中で踊るシーンが加えられた。ただ、この歴史的大河物語でロザリーをヒロインにするにはいささか無理がある。オスカルが市民側に心を寄せていく過程を、もう少していねいに描いたほうがより深い作品になったと思う。

アンドレ役は湖月わたる(星組)、春野寿美礼(花組)、瀬奈じゅん(月組)のトップが特別出演するなど5人が役替わりする豪華版。衛兵隊士のリーダー、アラン役の水夏希が存在感を増し、オスカルの姪ルルー役の花夏ゆりんがスパイスの役割りで好演している。

20日まで。



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