宙組 水夏希
責任 だけどラフでもありたい
“清く正しく美しく”を掲げる宝塚歌劇団。今年で創立89年の長い歴史を支えるスター育成システムは、一貫して変わらない。まず宝塚音楽学校に入学し、2年間を芸能に関する技量を磨くための勉強に集中する。言葉遣いなど生活面も含めて、上下関係の礼儀が守られているきびしさは、いまどき珍しい。
「筆記の学問は少なくて、年中踊りっぱなしって感じでしたね。窓掃除に絵筆を使うのにはびっくりしました。与えられたことをきちんとやる責任感、時間の有効な使い方など、今思うとすべてが、舞台に立つ上で必要なものだとわかります。なかでも同期生の強いつながりから、仲間の原点、人間関係のコミュニケーションの基本を学んだことが、一番大きいですね」
卒業後に晴れて歌劇団に入団。1、3、5年目に試験があり、その成績でクツ箱から化粧前、並ぶ順番などが決まる。もっとも舞台の役柄は、成績とは別だ。
水は2年目から新人公演の主役に抜擢(ばってき)されるなど、スター街道を順調に歩み、宙(そら)組のトップスター、和央(わお)ようかに次ぐ2番手の男役スターとして、活躍著しい。5月から東京宝塚劇場で「傭兵ピエール」「満天星大夜總会」に出演する。
「華やかな舞台を目指すという目的意識がはっきりしているから、みんながんばれる。でも舞台はスターだけでは成り立たない。三角形のピラミッドがきちんとできるシステムが大切だと思います。私も4月から入団11年目。責任も大きくなってきましたが、自分を持ちながらラフでありたいと思っています」
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3月27日(木)大阪朝刊
interview by
平松澄子
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