「薔薇の封印」制作発表
小池修一郎
私は「タカラヅカ on フレッツ」がどんなものなのか、実はよく分からないのですが、おそらく動画をネット配信して、そこに宝塚のソフトを流していただけるということだろうと考え、とても楽しみにしています。新しいメディアが90年という伝統をもつ宝塚と接点をもつことにとても意味がある。

今回の作品ですが、日本物だと鬼とかクモの精とかが出ているますが、洋物で吸血鬼のようなもものが出てくる作品は、それほどないはずです。実は私は15、16年前にバウホール公演でドラキュラものをやったことがあり、それもあって「死」が主人公である「エリザベート」の演出の話をいただいたのだろうと考えています。

したがいまして、バンパイアを主役にしたからといって、あっと驚かれるという、そこまでショッキングではないでしょうが、同時にいろんな物語の題材になり、想像をかきたてるバンパイアの魅力は宝塚歌劇との接点があればと思って、取り組んでいきたい。

伝説のバンパイアがよみがえり、1000年の間を生きていく間に、時代や人々、出来事に遭遇する中で、出会い、別れ、時代との接点をみていく物語。永遠に生きることはもしかしたら不幸かもしれない。その中で、その時代の中での恋愛とどう折り合いをつけるかをひとつのテーマにしている。

紫吹淳のサヨナラ公演となったわけですけど、ダンスの紫吹であることも生かして、「踊るバンパイア」と思っていただいてもいいかもしれません。まか不思議な存在がダンスが得意で、すっと忍び寄られたりすると不意をつかれたりするのではないか。多くの女性が、とりこになるのも不思議ではないのではないかと思いますので、その意味では、なめらかに展開するのではないか。せひ、紫吹淳の踊るバンパイアにご期待ください。

−−ショーはつかないのか?
フィナーレはございます。

−−4つの時代の理由は?
最初にふん装を考えるんですが、中世の騎士は男役の魅力的なシルエットではないかと。そこが起源になりたいと思った。いろんな物語の中で、踊るバンパイアということを考えながら、決めていった。ワイマール時代のドイツ、なぞのボヘミアンダンサーがベルリンの夜にタンゴを踊るのもいいな。あるいは現代のダンスの中でバンパイアがどう踊るか。それぞれになんらかの落ちがあると思うのですが、それは見たときの楽しみにしておいてください。

バンパイアは特別に生き残っている種族というふうに解釈しています。

−−ストーリーを拝見するとかなりの娯楽性のある内容のようだが
十数年ごらんいただいている方は、私が大浦みずきの主演でバウホール公演をやったことをご存じかたとも思いますが、30分ぐらいのブロックのショーケースのミュージカルでしたが、これを大劇場でスケールアップさせてみせられたらと思っています。

SUMiRE STYLE@産経新聞 ENAK 流行+芸能