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秋の気配が漂う「宝塚ガーデンフィールズ」でカメラに向かう七帆ひかるさん。優しい笑顔も舞台に上がると役に染まったきびしい顔になる=兵庫県宝塚市 |
七帆ひかる(ななほ・ひかる)さん、宙組研究科5年。『白昼の稲妻』と『テンプテーション!』に出演。
中学生の時、テレビで見た『TAKARAZUKA・オーレ!』が宝塚との出会い。
最初は出演者たちの化粧にびっくりしたと笑いながら話す彼女も、多くの舞台を見るうちに、女性が演じる夢の世界に憧れを強くした。
大きな舞台で踊ることを夢見て音楽学校の受験を決めた。
学校時代は厳しい授業以外にも、上下関係や慣れない共同生活でつらい思いをしたこともある。
そんな時でも、舞台に立ちたいという強い思いと同期生の励ましが、くじけそうな心を奮い立たせたという。
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『白昼の稲妻』新人公演でランブルーズ侯爵を演じる七帆さん |
平成11年『ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台を踏む。憧れの大劇場、喜びと感動で緊張する間もなかった。
学校では技術を学び、劇団では見せ方を学ぶ。目標とする上級生の歌や踊りは、いつも演技のお手本だった。
けいこ中だけでなく休憩時間でも、何かをつかもうと、上級生の何気ない仕草にも目をこらしていた。
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「自分らしさを失わずに、頂いた役の心を伝えられる演技が目標」と話す。
『白昼の稲妻』新人公演でダンディな悪役を演じ切った七帆さん。
普段の優しい素顔からは想像できない迫力ある演技は観客を圧倒した。1つ1つの演技に対する真摯な想いが、また一歩、彼女を理想の舞台人へと近づけた。
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多くの人に親しまれる「花の道」は、四季に応じてその表情を変える。
春には桜が咲き多くの人でにぎわいを見せた歌劇場の周辺も、秋を迎え静けさを取り戻した。
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ナビオ阪急に設置された『薔薇の封印』の看板=大阪市北区 |
冬の訪れを前に、『白昼の稲妻』はクライマックスを迎え、今年の最終公演『薔薇の封印』で89周年を締めくくる。
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