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ミュージカル「シンデレラ」
欲しい! OGだけの劇団
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来年90周年を迎える宝塚歌劇団。同歌劇団の出身者は総計3500人に上る。OGの多くは「戻れるものなら戻りたい」と口をそろえる。1970年代、男役スターとして一世を風靡(ふうび)した鳳蘭さんは「OGだけの劇団をつくってほしい。そしたらすぐ入団する」と真顔で話す(関連記事:OGだけの舞台…)。
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「シンデレラ」に出演した鳳蘭さん(右上)。左のシンデレラ役は現役のタカラジェンヌ遠野あすかさん=11月29日、大阪・梅田コマ劇場 |
●●●願いが現実に
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「ベルサイユのばら」に出演中の鳳蘭さん(右)と初風諄さん=昭和51年(宝塚歌劇団提供) |
そんなOGたちの願いが、つかの間現実となったミュージカル「シンデレラ」(15日まで大阪・梅田コマで上演中)(関連:公式サイト)。現役タカラジェンヌのシンデレラ(関連記事:遠野あすかインタビュー)と王子(関連記事:真飛聖インタビュー)以外は、全キャストがOGという珍しい舞台だ。50歳を過ぎたOGもいるが、ほとんどの出演者は容ぼうも体形も美声も見事に維持していて、すさまじい迫力で客席を圧倒する。
一時代を画したスターが一堂に会している点も特筆。王様役の榛名由梨さんは「ベルサイユのばら」初代オスカル。女王役の初風諄さんは、同作の初代マリー・アントワネット。さらに継母役の瀬戸内美八さん、義理の姉妹役の峰さを理さん、高汐巴さんと、主要キャストは宝塚の歴史をけん引してきたトップ経験者ばかり。
「出演依頼の電話で、みんな自分がシンデレラ役と思ったそうです」(鳳さん)も、冗談と笑いとばせないのだ。
●●●同窓会の雰囲気
50代の母に20代の娘、40代女性の集団…。先月30日の舞台初日、客席は“老若女女”で埋まった。鳳さんふんする妖精の女王がぶらんこに腰掛けて登場するプロローグから、観客はうっとりとした表情。舞台上も客席も、同窓会を思わせる親密な雰囲気だ。
見事な“男ぶり”で「人妻殺し」とも呼ばれた鳳さんのダイナミックな歌声とダンス、一糸乱れぬ品の良い群舞は、何もかも忘れてしまうような、突き抜けた楽しさにあふれる。圧巻だったのは初風さんの澄み切ったソプラノ。退団後主婦となり、長く舞台を離れていたブランクを感じさせない。
現役時代、栄光をつかんだ人も、そうでなかった人も、同じように愛し続けているところが宝塚のすごい点だ。それは恐らく、彼女たちが青春のひのき舞台で、思う存分力を出し尽くしたからなのだろう。
OGの才能と、比類なき団結力を有効活用するには、鳳さんの言うようにOG劇団をつくるしかないのかもしれない。ただ「居心地が良すぎて、団員が増える一方で、収拾がつかなくなるかも」(鳳さん)という心配があるが…。
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SUMiRE DATA |
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12月4日(木) |
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SUMiRE LINX |
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●連載 産経新聞における主な宝塚関連連載記事は次のとおりです。
・東京本社が発行する毎週木曜日朝刊の「SUMiRE STYLE」
・大阪本社が発行する毎週月曜日夕刊の「The name of タカラジェンヌ」
●番組表 東京版朝刊TVメディア面のBS・CS欄にはCSチャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の番組表と解説を毎日掲載しています。
●OG関連記事 演劇一般など、それぞれ活動のジャンルごとに掲載しています。
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