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けいこの合間に撮影にいどむ真野すがたさん。ヴァンパイアを意識してか黒い服に身を包んだ姿が印象的だ=兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団・けいこ場 |
宝塚歌劇団は来年、創立90周年を迎える。
大正3年、「宝塚唱歌隊」としてスタートした宝塚歌劇団は、年間200万人の観客動員数を誇る日本屈指の大劇団に成長した。
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真野すがた(まの・すがた)さん、月組研究科5年。現在公演中の『薔薇の封印−ヴァンパイア・レクイエム−』に出演している。
真野さんが宝塚を知ったのは、テレビで放映された『ベルサイユのばら』を見たとき。
歌劇団に興味をもち、ファンの友達から本やビデオを借りるうちに、華やかな舞台に立ちたいと音楽学校の受験を決意した。
神奈川の自宅から東京の受験スクールに通い始めた。
休む事なくレッスンに明け暮れ、家に帰るころには日付が変わっていたこともあるという。
そんな努力の結果、年に一度のスクールの発表会では主役を務めるほどに成長した。
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『薔薇の封印』で踊る真野さん。新人公演では準主役のミハイルを演じる |
平成9年、宝塚音楽学校に合格、同11年『ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台を踏む。
「今までは客席から眺めていた舞台、その舞台に初めて立った感動は忘れられない」と話す。
映画が好きで『薔薇の封印』に備えて数多くの吸血鬼の映画を見た。
中でも「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」は衝撃的だった。
今までとは一味違うトム・クルーズの迫力ある演技に、役づくりの大切さを学んだ。
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「もっと下級生の頃は“男役に見えない”と言われたのが悩みだった」と話す。
歌や踊りの技術だけでなく、男役には見せ方のコツがあるという。
上級生の芝居を見ながら少しずつ男役の仕草を学び取り自信がつき始めた。
「どんな役がきてもひるまず、いろんな役に染まれる舞台人になりたい」と夢を語った。
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明日を夢見る「若きすみれたち」が小さなつぼみをふくらまそうとけいこに励む。
創立90年、新たな歴史の幕開けに、長い下積みに耐え、美しい花を咲かせ始めたすみれたちが舞台を舞い踊る。
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「花の道」に置かれた宝塚歌劇団創始者の小林一三翁の胸像。「清く正しく美しく」の教えは今も宝塚の基本として生き続ける |
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