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専科・汝鳥伶 昭和46年入団 大阪・吹田市出身 |
「汝鳥」とは、あなたの望むとおりに歌を奏でる鳥、という意味の古語。
「予科(音楽学校1年)の夏休みに父が考えてくれたんです。私も漢字がとても好きです。その半年後に父が急に亡くなって。“遺言”みたいに感じてこの芸名に固執しました」
下級生のころは芸名通りに歌手として活躍していたが、日舞の名取でもあり、今では確かな演技と存在感のある男役として、各組から引っ張りだこの“売れっ子”だ。
「専科はいろんな組に、いろんな役で出られるので、刺激になり、やりがいがあります。下級生とも仲良くなって、“メル友の輪”も広がっているんですよ」
先の雪組の東京公演「春麗の淡き光に」に続いて、現在は宝塚大劇場の花組公演に出演中だ(7月7日まで)。
歴史ロマン「野風の笛」は主人公・松平忠輝(轟悠)の父親で、彼の運命を変える徳川家康の役。
「中学のころから山岡荘八さんの本を読んでいて、家康はすごく好き。とうとう来たぞーという感じでしたね。平和を望んでいる晩年の家康なので、これまでのイメージを覆そうという気持ちでやっています」
珍しくショーの「レヴュー誕生」にも、ベテラン4人組の“ボヘミアン”の1人、詩人役で登場している。
「久しぶりなので段取りから慣れなくて。でも歌ったり踊ったりするのは楽しいですね」
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