「初めて女を演じます」というのは、宝塚歌劇団専科の男役、初風緑。2度目の外部出演となるミュージカルショー「TWINS〜二人のライザ〜」(菅原道則構成・演出)で、米ショービジネス界の大スター、ライザ・ミネリ役に挑戦する。
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ライザらしいポーズでなりきっている初風緑 |
ライザ・ミネリと母親で大女優のジュディ・ガーランドの心の交流を描くこの作品は、ドラマに加えてライザのショーもみどころ。代表作「キャバレー」のメドレーや「ニューヨーク・ニューヨーク」、ジュディの「オーバー・ザ・レインボー」などの名曲がふんだんに登場する。
「ライザはあこがれの女性なので、自分を試してみたいって思ったんです。歌も生き方もとてもダイナミック。決して女っぽくはないけれど、女性としての声の出し方、歩き方からどう演じればいいのか…。自然にしゃべること自体がこそばゆいって感じなんです。歌は半分ぐらい英語のままなので覚えるのが大変ですが、お芝居よりホッとするところがありますね」と初風。
宝塚の舞台では男役一筋。戸惑いながらの稽古のようだが、「終わってから見えてくるものが大きいと思うんです。男役ではない芝居を通して、また違った男役の魅力もわかるんじゃないかって」と勉強熱心だ。
共演は、ジュディ役に大ベテランの淡路恵子(元SKD)のほか、鳴海じゅん(元宝塚、退団後の初舞台)、湖上芽映(元OSK)ら大半が歌劇の出身者。
「広い意味で似た環境でレッスンを積んだせいか、美しいステージの共通ベースを感じます。この作品では、男役の私でもライザでもなく、ステージの空間全体を楽しんでほしいですね」と話していた。
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