雪組公演「春麗の淡き光に」
植田紳爾理事長に聞く日本物の魅力
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植田紳爾理事長 |
宝塚歌劇団理事長で、『春麗の淡き光に』の作・演出を手がけた植田紳爾さんに、宝塚の“日本物”の魅力を聞いた。
−−日本物の魅力は?
海外公演の機会が増え一番感じるのは、日本物への評価がとても高いことです。日本の歴史や古典に題材をとった作品を分かりやすく仕立て、洋楽で日本舞踊を踊る舞台は世界で宝塚にしかない財産です。そこには日本人の持つ美しさや優しさなどがあるのです。
−−若い人にはわかりにくいという声はありませんか?
日本物は若い人には分からないという風潮ですが、宝塚には世界に誇るこういう文化があるんですと逆に啓蒙したいですね。迎合せずに作ることも大事。雪組生たちは「日本物が大好きになった」と話しています。日本語のセリフ術は、最初は戸惑いますが教えていくうちに分かってきます。洋物の芝居でもセリフは日本語ですから、基礎としても大事です。
−−『春麗の淡き光に』は?
宝塚は愛がテーマですが、王子さまとお姫さまの話だけでなく、親子や男の友情など、いろんな愛の形がある。それを今回はお見せしたい。
−−歌劇団の今後は?
80周年あたりから時代が変わり、宝塚歌劇団をみる目も変わってきたと感じます。私の昔からの夢は、宝塚歌劇が日本の演劇界の同じ土俵で一緒になって勝負すること。89年間で培った歴史と伝統を守り伝えることが100周年につながり、日本の宝塚を世界の宝塚へと広めていくのです。