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専科 高ひづる 昭和43年入団 大分県出身 |
「輝く太陽が高く昇るように」という意味を込めた芸名だ。
「私が生まれたのが7月7日のお昼前だったこともあって、母がつけてくれました。舞台のどこにいても輝いていられたらいいねって」
昨春の東京・日生劇場公演「風と共に去りぬ」では、南部の誇りを持つミード夫人を品良く演じた。
「毅然として博愛精神に満ち、懐の深い女性。好きな役です」
大ベテランで芝居では母親役が多くなったが、1日初日のバウホール公演「春ふたたび」(壮一帆主演)は、宝塚歌劇では珍しい“究極の母子もの”。生き別れになったあと領主に出世した息子に、名乗りたい本心を隠して対面する老いた母親やすを、歌や踊りを交えて熱演する(9日まで。音月桂主演「恋天狗」と併演)。
「私が最下級生のとき初演を見て感動に震えた作品で、あこがれの役だったんです。こんなにも人の心を動かすお芝居って、なんて素晴らしいんだろう、いつかやりたいとは思っていました。この学年になってその夢がまさかかなうなんて…。幸せで卒倒するくらい。人間としての愛、絆、悲哀などすべてが含まれている奥深い作品なので、たくさんの方に見ていただきたい」と興奮気味に話した。
「宝塚は桃源郷です。現実の生活をしながら、一瞬でパッと非現実にひたれる。こんな素晴らしい世界はほかにありませんね」