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花咲け若きすみれたち
宙組 悠未ひろ

宝塚を代表する5つの組にはそれぞれを代表するイメージがある。

宙(そら)組の一番の特徴は背の高さ。長く美しい肢体を持つ生徒たちが繰り広げる舞台の迫力は宙組ならでは。

撮影のため宝塚ホテルを訪れた悠未さん。1メートル79センチの長身と男役らしい爽やかな笑顔は注目の的だった=兵庫県宝塚市の宝塚ホテル


悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さん、宙組研究科6年。

現在公演中の『傭兵ピエール』と『満天星大夜總会』に出演している。『傭兵ピエール』の新人公演では主役のピエールを演じる。

『傭兵ピエール』で傭兵ニコを演じる悠未さん。今日の新人公演では主役のピエールを演じる


1メートル79センチの悠未さん。大型の生徒が揃う宙組の中でも一番の長身。レビューで見せるスケールの大きなダンスは、広い舞台の中でもひときわ映える。

悠未さんが宝塚を志望したのは中学生の時。友達と見た『ベルサイユのばら』がきっかけ。吸い込まれるような舞台を見てからは宝塚の虜になった。

平成7年に念願の音楽学校入学。しかし難しい授業はついて行くのが精一杯。バレエの授業で厳しい指導を受けた後、寮に帰って涙があふれた時もあった。

そんなとき力を与えてくれたのが仲のいい同期の励ましだった。競争の激しい音楽学校では時に同期でもライバルとなる。そんなとき気の置けない友達がいてくれたことは、なにより支えになったという。

平成9年『仮面のロマネスク』で初舞台を踏む。初めて宝塚を見てから憧れ続けた大劇場。「父と母の顔を思い浮かべ、思い切った演技が出来た」と話す。

「客席に自分を座らせながら演技をしなさい」と先生の指導を受けてきた。最近その意味が少しずつわかるようになった。集中力が持続できない自分に、客席の自分が声を飛ばす。プロの舞台人として自分の見せ方にこだわるようになった。

「いろんな経験を積み感動を誘う舞台を見せたい」と話す彼女。広い舞台の中、一目でわかる存在感は、芽吹いたばかりの“宙組の伝統”を育む資質を十分に感じさせた。

3月1日、宝塚音楽学校の49名は卒業を迎えた。歌劇団の伝統を受け継ぐおとめたちが4月の初舞台を終え、89期生として各組に配属され、新しい一歩を踏み出す。



無事卒業を迎えた89期生。涙の別れの後は華やかな舞台が待っている=兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校


sumire memo
3月11日(火)大阪夕刊
by 写真報道局 土井繁孝
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