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  月影瞳 退団に思う    サヨナラと披露が交錯する今年後半


 トップスターの退団が相次ぐ宝塚歌劇で、雪組のトップ娘役、月影瞳も来年1月〜2月の東京公演を最後に退団することを明らかにした。

 これでトップは男役、娘役とも各3人(月組・檀れいは専科に異動)が来年2月までに交代。21世紀を迎えて、宝塚の顔は宙組をのぞいて大きく変わることになる。

 24日。劇団事務所で開いた記者会見に臨んだ月影は「昨年6月の宝塚大劇場公演『凱旋門』ころから、もっとも充実した時期を選んで辞めたいと決意を固めていました」と心境を語った。

 「宝塚に入って12年、トップに昇格して4年になり、和・洋ものの演じたい役柄はほとんどやれました。次の宝塚大劇場公演では初めての中国ものにも挑戦でき、いまが一番充実した時期で、辞めるのなら今だと思ったわけです」

 月影とトップコンビを組む轟悠には2月〜4月の「猛き黄金の国」の大劇場公演中に「退団」の意志を明かした。「結婚?」と問われて月影は「明るく否定しました」と大きく笑ってから、あわてて口を押さえた。

 「退団後は、女性ですから、まず結婚をしたいと願っていますが、全く相手がいませんので、願望の域にとどまっています」

 女優に転身するのも選択肢の一つとはしているが、具体的には白紙だと付け加えた。

 平成2年に入団。「べルサイユのばら」で初舞台を踏み、花組に配属された。5年から有望な娘役を起用する池田銀行の7代目イメージキャラクターに選ばれて店頭のポスターやディスプレーなどに登場、新人時代からかれんな容姿が注目された。また、10年には公文教育研究会のテレビCMにも出演して、全国的な知名度を上げている。

 平成6年に星組に異動、9年5〜6月の大劇場公演「誠の群像」で娘役トップに昇格したが、同年12月、雪組の娘役トップ、花總まりが新組・宙組に異動したのに伴って、雪組のトップに就き、「春櫻賦」で異例の“2度目のトップデビュー”を果たした。

 新人公演のヒロインが7作もある期待の娘役だった。成長するにつれ、持ち前の歌唱力に悲劇から喜劇までオールラウンドにこなす幅広い演技力もつけて、娘役のワクを超えた奔放な存在感を発揮している。

 8月の博多座公演「凱旋門」「パッサージュ」に出演した後、10月5日〜11月12日の大劇場公演「愛 燃える〜呉王夫差」「Rose Garden」(東京公演=来年1月2日〜2月11日)がラストステージ。

 なおトップの交代は以下の通り。

組名現トップ新トップ
花組愛華みれ匠ひびき
月組真琴つばさ紫吹淳
檀れい映美くらら
雪組月影瞳未定
星組稔幸香寿たつき
星奈優里渚あき


 7月から来年早々にかけて、さよなら公演とトップ披露のステージが交錯する。

斎藤勝行@産経新聞大阪文化部    






・退団会見記事は>>こちら





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