--『ベルサイユのばら』でメルシー伯爵を演じてますが
原作の漫画にはあまり描かれていないのですが、初演と平成2年の『ベルばら』でのメルシー伯爵を一緒にしたような役になっています。
--役作りは?
メルシー伯爵は、マリー・アントワネットの後見人としてオーストリアから一緒にフランスへ来ます。最初はアントワネットの爺やかなと思ってけいこしていたのですが、演出の先生から「あくまでも伯爵で」とアドバイスを受けました。
彼の行動はすべてアントワネット、ひいてはその母のマリア・テレジア女王と祖国のためで、そこに自分の幸せを感じていたんでしょうね。フェルゼンにアントワネットと別れるように進言するときは、心の中にすごく葛藤があったと思います。ただ勢いで説得するのではなく、どれだけアントワネットと国のことを思っているかが伝わるようにしたいです。
アントワネットがフランスに嫁入りしてきたときに、大事にしていたお人形を取り上げてしまいますが、間違っていたと反省していたと思うのです。「牢獄の場」で最後にアントワネットのスカートに口づけをしますが、「今でも私はあなたの忠実な僕(しもべ)ですよ」と思いを込めて演じています。
--『ベルばら』には初演から出演されていますが
宝塚そのものが『ベルばら』なんだなと感じますね。
田窪桜子@産経新聞東京文化部
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 | PROFILE みさ・のえる 昭和48年、『花かげろう』で初舞台。平成9年、専科に配属。主な舞台に『ME AND MY GIRL』のバーチェスタ、『FAKE LOVE』のライアン・グリフィスなど。コメディーからシリアスまでこなすベテラン男役。 |
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