SUMiRE STYLE    010809東京夕刊    

   新旧トップ異例の“退出場”劇      サヨナラ、お披露目間近


「特別なことと考えないで、気負わないようにしています」と、新トップの感想を話す紫吹淳 写真をクリックすると大きくなります
 宝塚歌劇団月組の新トップ、紫吹淳(しぶき・じゅん)の披露公演と10月1日付で退団する星組トップ、稔幸(みのる・こう)のさよなら公演のけいこがたけなわだ。この半年ほどの間に5組のうち4組のトップ(娘役トップも含む)が交代する異例の“退出場劇”にファンの関心も高く、前売りチケットが完売する人気を呼んでいる。

 21世紀最初のトップスター誕生となる紫吹の披露公演は、18日−9月24日の東京公演。『大海賊〜復讐のカリブ』(中村曉=作・演出)と昨年秋の大劇場で公演した『ジャズマニア』(三木章雄=作・演出)の2本立て。

 新作の「大海賊」が東京公演とそのあとの全国ツアー(10月27日−11月18日)で上演されるのは異例だが、来年1−2月の宝塚大劇場公演ではさらに新しい作品に切り替えられる。これは、18日からの東京公演が旧作『ジャズマニア』も並べた変則のプログラムだからで、すべて新作で飾る来年1−2月の宝塚大劇場公演が正式の披露公演ともいえる。これは東京では4、5月に公演される。こうみると披露公演は(1)旧作を含む変則の東京(2)来年のオール新作の宝塚(3)東京と3度行われることになる。

 旧作のショーといっても、『ジャズマニア』は前トップコンビ、真琴つばさと檀れい(専科に異動)のために作られたシーンはすべて白紙に戻され、ダンスに強い紫吹と星組から異動した入団3年生の娘役、映美くららの新トップコンビに合わせて作り替えられる。

 専科から1年ぶりに古巣に戻ってトップに昇格した紫吹は「テッペンに立つことを特別なこととは思わないようにしています。これまで3度、新しい組に異動しましたが、どうも気負い過ぎて自分を見失ってしまう失敗を重ねました。それよりもあるがままの自分を出して、取り繕うようなことはしないようにしています」と、平常心を保ちながらけいこに打ち込んでいる。

東京に続くさよなら公演「ベルサイユのばら」でオスカルを演じる稔幸(左)。アンドレの香寿たつき(右)は専科から星組に異動して、次期トップに昇格する 写真をクリックすると大きくなります
 東京で一足早くさよなら公演『ベルサイユのばら〜オスカルとアンドレ編』をすませた星組の稔は「(昨年11月に)退団発表をしてから長かったような気がします。やっと、その日が来たと思っています。今回が本当に最後。楽しくやりましょう」とけいこ初日にあいさつ。大劇場でのさよなら公演『ベルばら』(17日−10月1日)のけいこでは、次期トップとして専科からアンドレ役の香寿たつきを星組に迎えて、最後の役・オスカル像を練り直している。

斎藤勝行@産経新聞大阪文化部    







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