宝塚歌劇団花組のトップスター、愛華みれが13日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)における最後の公演「ミケランジェロ」「VIVA!」の千秋楽を迎え、劇場に隣接する宝塚ファミリーランドで、サヨナラパレードを行った。朝から待ち続けていたファンら約5000人が、正統二枚目、愛華の明るい笑顔に盛んな拍手を送っていた。
この日行った本拠地での最後の記者会見で、愛華は「トップになって3年間、川上音二郎、光源氏、ルートヴィヒII世、ミケランジェロなど、よく知られた人物を演じ、毎日が新しい挑戦でした。まだ東京公演がありますので、気持ちが切れないように涙をこらえました」と話した。
東京公演(9月29日−11月4日)が残っており、千秋楽で正真正銘の退団。16年間の男役生活にピリオドを打つ。
その後は女優に転身して、来年4月の東京・帝劇でミュージカル「チャーリー・ガールズ」で、主役の伯爵令嬢を演じることが決まっている。
数年前まで歌劇団側は、在団中に退団後の女優転身を明らかにすることについて「男役のイメージを壊し、ファンにも失礼」といった配慮をしていたが、最近は「人気が冷めないうちにPRを」と、在団中の公表が定着している。
愛華も退団3カ月前に異例の記者会見を行い、車いじりが大好きな男勝りの令嬢役で女優デビューすることを発表。相手役は少年隊の錦織一清、と積極的にPRしている。
愛華は昭和60年入団で同期生4人がトップに就任。うち、すでに月組の真琴つばさが7月に退団、続いて愛華、さらに星組の稔幸と娘役トップの星奈優里が「ベルサイユのばら」を最後に10月1日に同時退団と、さよなら公演が3度連続する。
真琴と稔は東京でさよなら公演を先行させる変則日程で、本拠地で行った先日の真琴のさよならパレードには東京からのファンも殺到、史上最高の1万人が別れを惜しんだ。稔のさよなら公演も前売りチケットが完売する人気を呼んでおり、千秋楽はお別れの涙に包まれそうだ。
斎藤勝行@産経新聞大阪文化部
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 | サヨナラパレードする宝塚花組トップの愛華みれ=13日午後7時40分、兵庫・宝塚の宝塚ファミリーランド (撮影・浜坂達朗) |
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