ジャズって、それに合う声質があると思うのです。声にドラマがいる。だから、だれが歌っても間違いではないのですけどね、けいこではどうしていいかわからなくなってブラックホールにはまっていました。
サラ・ボーンでも、若いころと50代や60代になってからでは声も味も違いますよね。どんな天才でも変化している。いろんな経験、人生で積み重ねてきたものが声の年輪になるのだなと実感します。
ジャズの有名な曲ばかり並んでいるのもプレッシャーですが、正解はひとつじゃない。プレッシャーと思わずに楽しんで、私にしか出せない味を大切にしていきたいですね。
Q 歌そのものに対するお考えは
歌って本当に歌う人の人間性が全部出ちゃう。性格を裸にされるようで、ごまかしがきかないんです。私の場合は性格そのまま歌もストレートになっちゃう。でも、これからは、人生で蓄えてきたいろんな面を出せるようにならなくちゃいけないと思っています。
田窪桜子@産経新聞東京文化部