SUMiRE STYLE     010825東京夕刊     

   人生経験、歌に出したい      専科 初風緑


はつかぜ・みどり 昭和63年、『キス・ミー・ケイト』で初舞台。花組に配属。平成6年、新人公演初主役。9年、バウ公演初主役。翌年、月組に組替え。『から騒ぎ』に主演。昨年6月、専科に配属。月組公演のグランド・ショー『ジャズマニア』(9月24日まで)に出演中
Q 今回は専科からということもあり、ショーだけの出演だそうで

 ショーだけの出演は初めてです。『ジャズマニア』は再演ですが、出番がかわり、歌が増えました。

Q 印象深い歌は?

 頭の中で一番うわーっとなっているのは、『シャレード』のナンバーです。初演で香寿たつきさんが歌っていらしたところを多く歌っているのですが、ほかの人にあてられたナンバーに挑戦するのは大きな壁でしたね。

Q ジャズを歌うわけですが…

 ジャズって、それに合う声質があると思うのです。声にドラマがいる。だから、だれが歌っても間違いではないのですけどね、けいこではどうしていいかわからなくなってブラックホールにはまっていました。

 サラ・ボーンでも、若いころと50代や60代になってからでは声も味も違いますよね。どんな天才でも変化している。いろんな経験、人生で積み重ねてきたものが声の年輪になるのだなと実感します。

 ジャズの有名な曲ばかり並んでいるのもプレッシャーですが、正解はひとつじゃない。プレッシャーと思わずに楽しんで、私にしか出せない味を大切にしていきたいですね。

Q 歌そのものに対するお考えは

 歌って本当に歌う人の人間性が全部出ちゃう。性格を裸にされるようで、ごまかしがきかないんです。私の場合は性格そのまま歌もストレートになっちゃう。でも、これからは、人生で蓄えてきたいろんな面を出せるようにならなくちゃいけないと思っています。

 

                

田窪桜子@産経新聞東京文化部     



 産経新聞購読の申し込み  産経Web-S お申し込み
産経Webに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産經・サンケイ)Copyright 2001 The Sankei Shimbun. All rights reserved.