SUMiRE STYLE     010908東京夕刊     


   外部出演に挑戦する檀れいに聞く     


だん・れい 京都府出身。平成4年、『この恋は雲の涯まで』で初舞台。月組に配属。9年、『FAKE LOVE』でシモーヌを公演。雪組に組替え。10年、『浅茅が宿』で新人公演初ヒロイン。翌年、月組に組替えし、『うたかたの恋』で娘役トップとなる。今年7月、専科へ配属clickすると大きな写真が見られます
 浜木綿子主演の喜劇『極楽町一丁目−嫁姑地獄篇』(二階堂正宏原作、佐々木猛・村松欣脚本、山田孝行演出)で、現代っ子のお嫁さんを生き生きと演じている。現役のタカラジェンヌが東宝現代劇に出演するのは、榛名由梨の昭和60年以来だ。

 「お話をしたこともないような方々とご一緒するのは始めてで、けいこの最初の数日は、すごく緊張していました」と初々しい。

 平成11年、月組の真琴つばさの相手役として娘役トップになり、その美貌(びぼう)で男性ファンにも人気を集めた。7月の真琴の退団に伴い専科に移動。その最初の仕事がこの外部出演だ。

 「宝塚とはおけいこの仕方も違いますが、なにより芝居の空気、息が違いますね。その日によって、客席の反応によって舞台の空気が違う。それがとても新鮮です」

 鎌倉の石橋家。嫁の典子(浜)、長男の大輔(渋谷哲平)、姑(菅井きん)が、嫁姑争いを繰り返しながら暮らしている。そこに大輔の嫁、みゆき(檀)がやってきて新たな嫁姑戦争が加わり…。嫁姑、アルツハイマー、子作りなど現実的な話題が飛び出す。

 「今まで言ったことのないセリフばかり。『くそばばぁ』なんてぽんぽん言っちゃう役なので、ここまでやっちゃっていいのかなと思いますね。でも、みゆきはおなかの中は真っ白な正直。喜劇ですから、思いっきりはじけてやるようにしています」

 ほかにも植木等、左とん平、宝塚の先輩・大路三千緒ら芸達者ぞろいだ。

 「今まで経験していた舞台上のキャッチボールとは全然違う。お客さまと、そしてほかの役者さんとのやりとりをうまくつかんで、空気にうまく乗って、自然に動かせるようになりたい。まだまだ、力が入っちゃて反省しているんですけど」と、いろいろ学んでいる様子だ。

 宝塚歌劇団は星組次トップスターの香寿たつきが外部出演を行うなど、改革が進んでいる。檀は娘役として、その先駆者的存在となる。

 「仕事に対して、枠をつくりたくないんです。宝塚という看板は立っていますが、いつも一舞台人としてみてもらいたい。やればやっただけ、得ることはある。ゆったりと構えていろんなものにチャレンジしていきたいです」



田窪桜子@産経新聞東京文化部     



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