SUMiRE STYLE     010901東京夕刊     

   憎めない「二枚目半」演じる      専科 伊織直加


いおり・なおか 平成元年『春の踊り』で初舞台。翌年、花組に配属。6年、ロンドン公演参加。『君に恋してラビリンス!』『ENDLESS LOVE』ではバウ公演で主役を務める。昨年6月、専科に。華やかな容姿と、独自の役作りで注目のスター
Q 『大海賊』で演じているキッドはどんな役?

 まず立ち回りができなくてはだめな役。今まであまり立ち回りをやったことがなくて、最初はどうしようかと思いました。パワーのいる体力勝負の役ですね。海賊の仲間になったエミリオ(紫吹淳)がどれだけ強くなっていったかを表す役でもあるので、けいこは体を動かすことから始めました。

Q 演じるうえでの苦労は?

 すごく楽しんでいます。真剣にやってしまうと嫌味な男になる。アンに「好きだ」と告白する場面も、二枚目でもできるけど、「すーきーだー!!」って二枚目半にしています。エミリオが二枚目さんで、悪役のエドガー(湖月わたる)がクールにやっているので、ほっとする二枚目半の存在もと考えたんです。色物系も得意ですし、コメディーに仕立てるのも好きなんですよ。

  かつらも三種類用意しています。かつらによっても微妙に役の雰囲気が変わるんです。酒場でお酒を吹き散らしたり、ダンスでしゃべっていたり−アドリブを入れながら役を生きることができるのも楽しいですね。

Q アドバイスを受けたり参考にしたものがありますか?

 監修の柴田侑宏先生には『無法松の一生』のイメージと言われました。中村暁先生(作・演出)からは、「一本気で、頭で考えるより行動が早い男」と。そこに、自分でおちゃめな部分を付け足しました。力強くて荒くれだけど、不器用で気持ちは優しい男。何をやっても憎めないキャラにしたかったんです。

        

田窪桜子@産経新聞東京文化部     



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