外見と感情のバランスに苦心
月組・叶千佳
田窪桜子@010922東京夕刊 

かのう・ちか 平成8年、『CAN−CAN』で初舞台。月組に配属。『WEST SIDE STORY』の本公演はエニーボディーズを、新人公演ではマリアを演じて注目を集める。愛らしい容ぼうと清潔な色気で期待の娘役。25日付で星組に組替えとなる。*大きな写真を見たい方は写真をクリックしてください。
Q 『大海賊』の新人公演では、海賊にして貴族である敵役の妹、エレーヌを演じましたが

 今まで、現代物で男まさりの女の子役が多かったので、“貴族のお姫様”という宝塚らしいヒロインは初めてでした。

 
Q するといままでとは演じるうえでかなりの違いが?

 お姫様はドレスも、声のトーンも現代物とは違います。けいこでは、ドレスのさばき方や、セリフをしゃべる声を少し上げるなど、外見から役づくりに入りました。でも、見た目を注意しすぎると、感情がうまく伝わらなくなる。そのバランスが難しかったですね。

 
Q エレーヌという女性については?

 彼女は兄が決めた政略結婚に不満を感じるんです。貴族社会では当たり前のことなのに、彼女はふつうの女性としての感情ももっている。芯のしっかりした、自分の意思をもった女性なんですね。

 でも、それはエミリオに出会ったから、自分の気持ちを出せるようになったと思うのです。だから、エミリオと初めて出会う場面はとても大事。短い間に感情が高ぶって恋に落ちる。アクセサリーを落とす一瞬も気持ちをこめて演じました。


 
Q なにかご苦労は?

 新人公演のけいこ時間がなかなかとれないのも大変でした。エミリオ役の大和悠河さんとは、朝も晩もずーっと役について話し合っていましたね。

 
Q 星組に組替えになりますが? 

 宝塚の生徒という枠だけでなく、一役者としていろいろな役柄に取り組んでいければと思っています。






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