宝塚歌劇団月組の新トップコンビ、紫吹淳と映美くららのお披露目公演『大海賊』と『ジャズマニア』の全国公演がスタートする。紫吹は入団16年目、映美は3年目の抜てきで、学年差のあるコンビだが息はぴったりのよう。初めてコンビを組んだ手ごたえは? 2人に聞いた。
−−トップとしてのお披露目初日の感想は
紫吹 淳 負けず嫌いなので、「緊張している自分を認めたくないな」というところがありました。トップとして参加したベルリン公演の経験が幸いしています。学年が上がってからトップにさせていただいたけど、今までのすべての段階があって、今があるなと感じます。
映美くらら 自分では緊張しているつもりはなかったけれど、口紅を持つ手が震えて塗れなくて…。自分に「いっぱいけいこしたから大丈夫」って言い聞かせて、舞台に出ました。
−−トップになって変わったことは?
紫吹 健康については、いつも以上に気を使います。体調をキープするのが大変。芝居に関してはせりふが多くなったりはしましたが、役を演じる上での心構えは変わらないです。
映美 やっていることは今までと同じなのですが、その量が全く違いますね。1人で舞台に立つシーンも初めてで、集中力がとても必要。でもまだ考える余裕はなくて精いっぱいです。
−−何色にも染まれるコンビにと話していましたが、今回は何色?
紫吹 エミリオは海賊ですから海に関する水色かな。色の濃い役が続いていたので、二枚目のブルーといった感じでしょうか。
映美 エレーヌは場面によって色が違うように思います。白から大胆になったり、ほんわりした桃色だったり。その変化が見えるように演じたいです。
−−お互いの印象は?
紫吹 ある意味、感覚人間的なところが似ているかな。なりきりタイプなのですが、彼女もそうだと芝居をやって感じました。
映美 舞台に立つと世界に入ってしまいますね。
紫吹 舞台で役を意識して、その場で成り立たせてくる。そういう意味で、一緒に芝居を作っていきやすい。お互いに舞台で大切にしているものが同じだなと思います。
映美 紫吹さんは舞台ではすごく格好良くて見とれちゃうのに、普段はとても女性的な方です。
−−月組について
紫吹 通行人でもその一瞬に命をかける姿勢をもっている子たちがいっぱいいる。その資質をつぶすことなく、個性としてアピールしてほしいです。
映美 月組は熱いものを感じますね。場数を踏んでいない分、勉強させていただこうと思っています。
−−これからは?
紫吹 何でもやりたい。そして、毎回違う人間を生み出したい。毎回が新たな自分探しだと思うんです。それから毎回、黒エンビが着たいですね。黒エンビは私の宝塚生活からはずせないものだから。粋(いき)な日本物もやってみたいですね。
映美 デュエット・ダンスをきれいにできるよう、がんばりたいです。
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