月組 汐美真帆 インタビュー

 01/10/27 産経新聞東京夕刊
 Text By TAKUBO,Oko/田窪桜子@東京文化部

−−『血と砂』で初主演ですが

宝塚バウホールでの公演の初日は本当に新鮮な気持ちになり、「今まで生きていてよかった、宝塚にいてよかった」と感じ、この時を大切に、みんなでつくりあげてきたものを壊さないようにと思いました。ちょうど誕生日だったので「初主演の初日」という最高のプレゼントをいただきましたね。

−−初主演されての手応えや感想は?

第一声の大切さを実感しました。そのひと声でその人の性格や全体像が見えなくてはいけないですから。弟に和解を切り出す場面も好き。光と影という全く違う人生を歩いた兄弟ですが、血のつながり、縁は切れないんですよね。

−−演じるフアンとはどのような人物ですか?

マタドールとして成功しますが、けがをし堕落していきます。彼は弱い人間。でも、その弱さがフアンの男としての魅力にもなっている。弱いけれどどこか憎めない、それゆえに、だれからも愛される。そういう魅力を男役で演じる難しさも感じます。

−−演じがいのある人物?

初主演が決まったとき、「あなたらしく頑張って」といわれ、私らしさって何だろうと考えました。そして、フアンの人生を舞台で生きぬけば、それが私らしさにつながると思いました。だから、いまは精いっぱいやるだけ。一人の男の人生をじっくり演じたいと思っていましたが、フアンはまさにそういう役。本当にやりがいを感じています。

しおみ・まほ 平成3年、『ベルサイユのばら』で初舞台。雪組に配属。10年、月組に。『ノバ・ボサ・ノバ』では女役にも挑戦。11年、中国公演参加。クールな容ぼうで人気の男役スター。『血と砂』(11月2−8日、東京・千駄ケ谷の日本青年館大ホール)では大空祐飛とW主演している。
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