「第14回東京国際映画祭」の「ニッポン・シネマ・クラシック」が28日から始まり、東京・渋谷のシアターコクーンで行われたオープニングセレモニー「すみれよ、永遠に in シアターコクーン」に宝塚歌劇団の現役生徒、OGが出演し「すみれの花咲く頃」などの歌を披露するなど、開幕に花を添えた。
「いまはともかく女性の時代。女優に焦点をあてよう」(岡田茂・映画産業団体連合会会長)という発案のもと、脚本家の大石静が「それならば宝塚出身女優の作品にしぼりましょう」と提案したという今年の「ニッポン・シネマ・クラシック」。
OGの八千草薫主演の「宮本武蔵」(稲垣浩監督)が開幕作品に選ばれ、その舞台あいさつに八草ほか、OGの有馬稲子、麻実れい、星組トップの香寿たつき、専科の汐風幸、星組の安蘭けいが登場した。
まず、現役の3人が登壇。「この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER)」などタカラヅカソングをメドレーで歌った。
続いて麻実、有馬、八千草が順番に舞台に現れ、主に映画とのかかわりについて語った。
「15歳 学校 IV」で銀幕デビューを飾った麻実は「舞台育ちですから映像の世界はいまひとつ分からなかったのですが、出演してみて同じだと思いました。諸先輩が出演した映画を一挙に見ることができるこの企画はすばらしい」と語った。
有馬は「私は本当の男性の役者のかたと芝居がしたくて退団し、映画の世界に飛び込みましたが、いじめられることもなくピクニックのように楽しい毎日を過ごした宝塚時代と違って、いきなり浮き世の冷たい風がやってきて、ああ世の中に出たのだなあと思ったものです」と苦労もあった、と明かした。
ちなみに母親もタカラジェンヌだった有馬。芸名は母親のものを襲名したのだが、「いやでしかたがなかったけれど、最近ようやく好きになれた」とも。
そして八千草は「映画に出たいとは思っていなかった。舞台ですとお客様は離れたところにいらっしゃるけれど、映画はいろいろな人がカメラをのぞき込んだりして、ああ、きゅうくつだなあと」
八千草は歌劇団に在籍したまま銀幕の世界にも進出。「私の退団は結婚に伴うものでしたから」。
諸先輩を前に、香寿は「作品を拝見し、諸先輩のすばらしいものを私たちも引き継いでいきたいと思います」と、新トップらしい責任感あふれる言葉を贈った。
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最後は全員で「すみれの花咲く頃」を合唱した=東京・渋谷のシアター・コクーン
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ニッポン・シネマ・クラシック
10/29--31日
29日 16:30 「お遊さま」(乙羽信子)
29日 19:15 「歌ふ狸御殿」(宮城千賀子)
30日 19:15 「美徳のよろめき」
(月岡夢路)
31日 16:30 「州崎パラダイス 赤信号」(新珠三千代)
31日 19:15 「夫婦善哉」(淡島千景)
いずれもBunkamuraル・シネマで
当日券 1000円
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