月組 大空祐飛

 01/11/10 産経新聞東京夕刊
 Text By TAKUBO,Oko/田窪桜子@東京文化部

−−バウホール公演『血と砂』で初めて主演をされましたが

素晴らしいメンバーの愛を後ろからひしひし感じて、1人じゃないんだと肌で感じました。

−−演じられたプルミタスという人物について

テンションが非常に高いのにクールな部分がある。胸の奥に燃えているものはだれよりも熱いのに、冷めてみえる。でも、愛が深くて誠実だから、自分も他人も裏切れないんです。どうやったらそこまで強く生きられるのかと考えました。

兄を誤解したまま憎み続け、闘牛士となった兄と反対に盗賊になります。本当はナイーブなので、受けた衝撃は大きかったと思うのです。兄を苦しめるために兄の妻のカルメンを誘惑するけれど、2人の心の寂しさが似通っていて会い続けてしまう。でも、互いでは埋められない心のすき間を見つけて、離れたら寂しいと知りながら大人の別れ方をする。

−−特に好きなシーンは

どのシーンも好きなんですけど、別れのシーンが一番難しかったですね。光を求め続けいつも強がっているけれど、切ない自分がいる。短い時間の中に、微妙な感情的なお芝居を表現するのが難しいんです。同じように好きなのが、兄と仲直りの場面です。憎み切れなかった兄弟の血と愛を感じました。そして、すべてを取り払って、最後の復しゅうに挑む潔さもすごくかっこいい。教わることがとても多い役でしたね。

おおぞら・ゆうひ 平成4年、『この恋は雲の涯まで』で初舞台。翌年、月組に配属。10年、『WEST SIDE STORY』の新人公演で初主演(第一幕)。11年、中国公演に参加。『血と砂』でバウホール公演初主役を果たす。爽やかさとシャープな魅力で期待の若手スター

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