専科 初風緑が語る音楽

 モストリー・クラシック誌 11月号
 Text By TAKUBO,Oko/田窪桜子@東京文化部



産経新聞が発行するクラシック専門月刊誌「モストリー・クラシック」に連載中の「タカラジェンヌ Relax Time」。タカラジェンヌが音楽とのかかわりを語ります。11月号は専科の初風緑さんでした。音楽は「友達」と初風さんは話します。

−−お好きな音楽は?

舞台では色んな歌やお芝居、ダンスに出合うので、ジャンルを問わず、なるべく色々な音楽を聴くようにしています。でも、基本的に一番好きなのはクラシックですね。

−−クラシックではどんなものを?

子供のころ、バレエ音楽のレコードを買ってもらって、全部覚えてしまうほど聴いていました。とても小さいころから、レコードに合わせて踊っていた記憶があるんです、創作ダンスですよ。あまりに一生懸命なので、母がバレエを習わせてくれたんです。
−−バレエ音楽が音楽との出合いだったわけですね

初めてバレエを見たのは幼稚園の年少の時、東京文化会館での「白鳥の湖」です。流れるような音楽と、一瞬、空気が止まるような黒鳥に魅せられてしまった。今でも「白鳥の湖」が一番好き。だから、チャイコフスキーがクラシック入門になりますね。

−−ピアノを習ってらっしゃったとか

バレエのおけいこは、ピアノで伴奏をします。それで、ピアノも習い始めました。小学校の音楽の先生がクラシック好きで、「剣の舞」を2年間かけて練習し、みんなで発表をしたのですが、様々な楽器をさらわせてもらえたんです。それで、楽器にも興味が広がり、中学ではクラシックギターを習っていました。

−−チャイコフスキーのほかにお好きな作曲家は?

モーツァルトも大好きです。実際にモーツァルトやラヴェルのお家を見に行ったりもしました。「ああ、こういう環境からあんな音楽が生まれるんだろうな」とか、現地に行ってその人柄や人生を感じるのも楽しいんです。
−−音楽との出合いがなければ、宝塚との接点もなかったかも

音楽に出合わなかったら、全く違う人生を歩んでいたと思います。宝塚に入ってからジャズやイタリア歌曲、シャンソン…とジャンルが広がりました。原語の歌が好きで、音楽学校のころは、いつも何かを口ずさんでいましたね。そのころの経験が今、役立っていますが、もっともっと聴いておけばよかったと思います。

−−ご自分で作詞もされるようになったとか

最近は、欲が出てきて作曲もしてみたくなったんです。コンピューターで打ち込みをしながら曲をつくる方法を教えてもらうことになっています。

−−初風さんにとって音楽とは?

私は音楽に励まされたり、元気をもらっていますね。言葉はなくても、曲調の中にもメッセージってあるでしょう。今までそれに影響を受けて、助けられてきたと思うんです。だから音楽は、お友達みたいな存在です。

はつかぜ・みどり 東京都出身。1988年、「キス・ミー・ケイト」で初舞台。花組に配属。94年、「ブラック・ジャック 危険な賭け」で新人公演初主役。97年、「君に恋してラビリンス!」でバウ公演初主役。翌年、月組に組替え。99年には「から騒ぎ」に主演。昨年6月、専科に配属。伸びやかな歌声、シャープなダンスで芝居、ショー問わず活躍している。愛称はガイチ。
モストリー・クラシックは毎月15日発売。全国の大型書店のほか、キャトルレーヴでも取り扱っています。発売中の12月号の「タカラジェンヌRELAX TIME」は春野寿美礼さんの登場です

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