星組 安蘭 けい

 01/11/17 産経新聞東京夕刊
 Text By TAKUBO,Oko/田窪桜子@東京文化部

−−『花の業平』で演じている藤原常行(ときつら)は、どんな人物ですか

右大臣、藤原良相(よしみ)の息子ですが、いとこの基経(もとつね)が野心一杯なのに比べ、上昇志向があまりない。藤原の人間であることを利用しようとは全く考えておらず、まわりの状況を冷静に見ている頭のいい男ですね。
在原業平がいとこの高子(たかいこ)を愛する姿を見て、藤原家とは政敵と分かっていても力になろうと思う。業平と学友であるだけでなく、尊敬もしていたのだと思いますね。

−−そんな人物を演じるにあたっては?

宝塚大劇場での公演では、気持ちを入れ過ぎないよう注意しました。状況を説明するせりふが多いので伝わりにくくなるんです。どこまで常行としての感情を入れていいのか、バランスが難しかったです。今回の東京公演ではもう少し常行の感情を出してもいいと言われています。

−−日本物はお得意ですか?

あまり苦手意識はないですね。王朝物ですから、笏(しゃく)の持ち方とか左手の角度など型が決まっていて、それがすべての基本になります。こういう衣装を着ると自然と動きも優雅になりますね。

−−星組はトップコンビが新しくなりましたが

トップが稔幸さんから香寿たつきさんに変わり、業平役も変わりました。男らしい業平になって、作品の雰囲気も、全体的に締まった感じがします。業平の学友として幼くなりすぎないように。抑えたセリフに、どれだけ感情を込められるか頑張りたいです。

あらん・けい 平成3年、『ベルサイユのばら』で初舞台。7年、新人公演初出演。8年の『エリザベート』ではルドルフ少年を好演。10年、『ICARUS』でバウ公演初主演。昨年の『花吹雪 恋吹雪』では石川五衛門役で主演。ストレートな役作りと豊かな歌唱力で期待の実力派スター。

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