専科 星原美沙緒 インタビュー

 02/01/26 産経新聞東京夕刊
 Text By Takubo,Oko/田窪桜子



−−雪組公演『愛 燃える』で演じる呉国の宰相、伯●(=詒の台を否に)(はくひ)は、どんな人物なのですか?

やり手で策略家、軍師というか、自分の野心のためには国をも裏切っていきます。呉王に仕えながら、敵国の越の将軍に買収されますが、呉を滅ぼそうというのではなく、だれが王になっても構わない。背後でその人を動かしていくのが楽しい男だと思います。

−−演じるうえでのご苦労は?

今回は、まずせりふを覚えるのに苦労しましたね。言葉も登場人物の名前も難しい。実際はもう少し前の時代設定ですが、三国志の世界を勉強して役づくりしました。難しかったのは、呉王・夫差を責めていく流れです。バッと力でではなく、策略を重ね、じわじわと責め、ガツーンと落とす。がんがんやるほうがやりやすい。じわーというのが難しいんです。

−−ご自身ならではの工夫は?

ひげです。伯ひは、表に荒々しさを出さず、いい人か悪い人か分からないような男にしたかった。含みのあるような感じにするためいろいろやってみて、このなまずひげ風になりました。結構難しいんですよ。少し間違うとコソ泥に見えてしまいますから。

−−中国を舞台にした作品は『紫禁城の落日』以来ですね。

中国物は色彩が華やかで衣装も独特。きれいですが、着こなすのは苦労します。今回はきちんと合わせて着るとまじめそうに見えるので、さりげなく崩して着るようにしています。

ほしはら・みさお 昭和47年、『かぐら』で初舞台。月組に配属。62年、専科に配属。『ベルサイユのばら』ではジャルジェ将軍やグスタフIIIを好演。貫禄ある役を存在感豊かに演じる。平成8年、花組組長に就任。現在は専科として、『あさきゆめみし』『ルートヴィヒII世』などに出演。

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