雪組 東京公演始まる

 02/01/02 Web編集部Presents
 Text by ISHII,Takeshi/石井健@Web編集部



平成14年の宝塚歌劇団の東京宝塚劇場(東京・日比谷)は2日、雪組の公演で幕を開けた。中国春秋時代を題材にした「宝塚ロマン『愛 燃える』」、咲き誇るバラをテーマにした「ロマンチック・レビュー『Rose Garden』で、専科に移籍するトップスター、轟悠と退団する娘役トップ、月影瞳のコンビによる最後の公演となる。

「愛 燃える」では、為政者としてよりも純粋な愛を選び、滅びていく呉の王、夫差の激烈な生き方を轟が演じ、月影は夫差をいわば"狂わせる"女性、西施の悲しい姿を美しく演じる。「Rose Garden」は甘い旋律の歌に満ち、轟のダンディーさはもちろんとして月影の白バラのような衣装も見もの。

初日は午後3時半からの公演に先立ち、午前10時から舞台けいこが行われ、けいこの後、轟が記者会見し、専科入りした後も宝塚全体のトップとしての自覚をもって舞台に立ちたいと抱負を述べた。


−−雪組トップスターとして最後の公演になりますが、今回の演目をどのように解釈していますか

そうですね。『愛 燃える』は、去年からテロ事件とかいろいろ、見たくない、聞きたくない事件がほんとうに数多くあります。その中で「平和とは何か」ということを、演出家の先生も、この作品を通して見る人に投げかけたいということでした。夫差は戦国時代に王としてではなくひとりの男性として人間らしく生きてみたいという道を選んだ。そしたらお城がつぶれちゃった−−ということなんですけども、人間の憎悪とか、怒りとか、いろんなものが渦巻く中を清く生きようとしたひとりの男の物語−−として見ていただいたらいいなと思います。

−−『Rose Garden』のほうのみどころは

これぞ岡田敬二(作・演出家)のレビューというか。私も久々なんです、岡田先生の作品は。ほんとうにロマンチックな先生なんですけど、ですから私たちは演出家の先生が意図する、お客さまに見ていただきたいと思われる構成などをうまく、表現できたらなと思いますので、Rose Gardenというロマンチックレビューですから、私たちはバラのかおりを出せるように、宝塚的なショーに仕上げたいなと思っております。

−−東京のファンにひとこと

あけましておめでとうございます。轟悠でございます。今年も宝塚はどんどんどんどん楽しい作品を送りだしていくことと思います。私も専科入りを、この公演が終わりましたら、いたします。ですけど、これからも次から次へとたくさんのスターたちが出て来ると思いますので、ぜひ、宝塚を応援してください。

−−2002年の抱負は

抱負ですか?うーん。あまり、たいした抱負は!!まあ、昨年、一昨年と同様、とにかく健康で、好きな舞台を務められたら幸せだなと思いますし、1回1回の舞台をいままでどおり、大切にしていきたいという気持ちを新たにかみしめているという感じです。

−−専科にいくにあたって雪組のメンバーへのメッセージを

そうですね。引き続きまして4月に日生劇場で『風と共に去りぬ』に花組、雪組のメンバーが出ることになっております。ですから、これが最後とか、サヨナラとか、そういうことは考えませんし、また雪組公演に出る可能性もありますから。理事長がおっしゃったように5組それぞれの公演に出ることができる。トップとして出るんだからしっかりやってくれといわれてますから、再び雪組に出るときに下級生といわれている子たちがどれほど成長しているかが楽しみだよ、ということはいいました。


舞台けいこ終了後、「きょうは、おとそを飲んできました」と明るい表情で記者会見した轟悠=東京・日比谷の東京宝塚劇場

「Rose Garden」にちなみ、東京宝塚劇場のホール、階段もバラの花の飾りつけがされ、豪華に観客を迎える=東京・日比谷の東京宝塚劇場
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雪組東京公演グラフ
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