雪組 貴城けい インタビュー

 02/01/19 産経新聞東京夕刊
 Text By Takubo,OKO/田窪桜子

秘めたる炎を伝えたい

−−『愛 燃える』では、呉王・夫差(轟悠)の家臣、王孫惟(おうそんい)を演じていますが

武将であることを意識しながらも、王が溺愛(できあい)する西施(せいし)さま(月影瞳)を愛してしまった心を一番伝えなくてはいけません。

−−実際に伝える場面が?

出ている場面で「好きだ」というのは死の直前、最後の場面だけです。芝居上では気持ちは隠さなければいけない。でも、お客さまには、せりふのないシーンでも秘めた思いが伝わらなくてはならない。婉華との踊りの場面で好きなんだと感じてもらい、歌までつなげるためにも、強い心で思っていなければだめなんですね。

−−とても内省的なお芝居ですが、そうするためのポイントは?

まず西施さまとの出会いの場面を大事にしています。せりふはないですが丁寧に演じたいですね。孫惟は忠実な家臣だったと思うんですよ。でも、人生をかける恋を見つけてしまう。だから、王に殺されてしまっても思いを告げることができ、愛をまっとうできたので、悔いはなかったと思います。

−−ところで中国ものはいかがですか?

中国物は初めてで、おじぎの仕方ひとつとっても日本の時代物とは違います。所作など決まりごとも多く、いろんな発見があって勉強になり、楽しかったですね。

−−退団される月影さんとはこの舞台が最後になりますが

お芝居では西施さまを愛する役で、ショーではアラビアの王子でご一緒のシーンをいただけて、うれしく思っています。
たかしろ・けい 平成4年、『この恋は雲の涯まで』で初舞台。雪組に配属。9年、『仮面のロマネスク』で新人公演初主役。12年、『ささら笹舟』でバウ公演初主役。同年、ベルリン公演参加。『アンナ・カレーニナ』では大人の男役に挑み、好評を博す。美貎と歌唱力で魅了する若手スター。
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