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初風緑 型破りのソロコンサートに挑戦

 02/03/09 産経新聞東京夕刊
 Text By 田窪桜子 Photo By 内藤博

この日の髪の色は、ピンク!

「自分で染めたの!」と笑顔が弾けた。舞台でのクールでキザな男役ぶりとはうって変わって、素顔はおしゃべりで人懐っこい。

そんな初風緑を全開したコンサート「愛(あい)・舞(マイ)・魅(Me)」を開催する。

「宝塚の、ではなく1人のタレントとしてできることをお見せしたい。広い空間で何ができるか夢が膨らみます。トークは少なく、ぶっ通しで歌い踊ります」と力が入る。

宝塚歌劇団は一昨年、各組の2番手、3番手のスターを専科に配属する新しい制度を発足させた。組や宝塚の枠を超えた活動を狙ったもので、コンサートもその一環だ。普段のタカラジェンヌのコンサートは後輩がダンサーやコーラスで参加するが、今回、初風はあえて1人でと主張した。

「組単位でなく、専科にいるからできる、人とは違うものにしたかった。そのためにも1人だけでやろうと思いました。ワクワクしてます」

過去・現在と、未来の2部構成にし和洋多彩な音楽を満載。本人いわく「CDショップの全コーナーから集めたような選曲」。布施明や沢田研二も登場する。ファンならおなじみのエルビス・プレスリー・コーナーも。コンサートでやりたいことを話し出すと、言葉が次々と溢(あふ)れ出てくる。

「自分の魅力は自分では分からないけれど、自分がやりたいことは自分しか分からないでしょ。剣舞や和太鼓を使って現在と過去をミックスしたような音楽もやりたいし、自作の曲も披露したい。体力持つかな…。時間内に収まらないかも…。あっ、未来はあえて宝塚をテーマにしてます…」と話は止まらない。

あえて、1人という道を選んだことがプレッシャーをやりがいに変えたようだ。

「下級生のころは男役はこうあるべきと、普段もネクタイしているようなまじめな子でしたからねえ。でも今は、理想を追うだけでなく、枠を外し、ラフに学ぶ時期にきていると思う。このコンサートは、1人の女性、1人のタレントとして、枠を超えた中間地点になると思います」

そんな初風緑は、自分をどのように見ているのだろうか?

「型がないし型にはまらないタイプ。今、殻があっても、戦って破壊する力も持っている。これからは、多くの人と触れてパワーを膨らませて、いい方向に破壊し進んでいかなくてはね」
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はつかぜ・みどり 東京都出身。昭和63年、「キス・ミー・ケイト」で初舞台。花組に配属。平成6年、新人公演初主役。9年、「君に恋してラビリンス」でバウ公演初主役。翌年、月組に組替え。11年、「から騒ぎ」主演。12年6月、専科に配属。伸びやかな歌声、シャープなダンスと三拍子そろった男役として活躍している。愛称はガイチ。
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コンサートは4月4−8日、東京・天王洲アイルのアートスフィア。
問い合わせは
TEL0797・85・6811。
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