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香寿たつき、大劇場お披露目へ秒読み

 02/04/02 産経新聞大阪夕刊

「ゴルチェのファッションで、かっこいいエリートの日本人を演じます」

香寿(こうじゅ)たつき。

宝塚歌劇団星組の新トップとして、いよいよ12日から宝塚大劇場でお披露目公演が始まる。グランド・ロマン「プラハの春」(谷正純脚本・演出)は、春江一也原作のベストセラー小説を初舞台化した注目作。

グランド・レビュー「LUCKY STAR!」(中村一徳作・演出)では、第88期初舞台生のラインダンスもある(5月20日まで)。

香寿は北海道札幌市出身で、昭和61年初舞台。花→雪→花→雪→新専科と転々として、昨年12月、星組のトップとなった。北海道出身のトップスターは初めてで、地元紙ではトピックスとして取り上げられたそうだ。

すでに「花の業平」「サザンクロス・レビューII」で東京宝塚劇場と名古屋・中日劇場でのトップ公演をこなしてきたが、ダンス、歌、芝居と三拍子そろった実力派としての評価は高まる一方。本拠地でのトップ・デビューとなる新作公演には、周囲の期待も大きい。

「トップになっていきなりの新作より、気分的に落ち着いてのぞめるのは確かです。それに初舞台生を迎えてのお披露目公演というのも、すごくうれしいですね」。

緊張気味だが、笑顔はたえない。

相手役になった娘役トップの渚あきについては、「新人公演もバウホール公演も、初主演の相手役は彼女だった。すごく縁があると同時に、娘役さんらしいやわらかさがあるので、とてもやりやすいです」。

新専科時代に香寿は、「天翔ける風に」に主演女優として外部出演した経験もある。

「何もかもが新鮮でした。ただ、宝塚の男役は現実にはいない、女性が理想とする男性像。そんなあこがれの男役を、もっともっと演じたいという気持ちがいっそう強くなりました」という。

「プラハの春」は、1968年、チェコ・スロバキアの首都、プラハで起きた歴史的事件を背景に、若い日本の外交官と、反体制活動家の東ドイツの女性の、命がけのラブ・ロマンスを描く。その衣装が人気デザイナーのジャン・ポール・ゴルチェ提供なのだ。

「制限された中で燃え上がる恋を、男役としてこれまで培ったものをぶつけて、宝塚らしくステキに演じたい。春江先生にお会いして、実際にその時代に生きた人々の話をうかがえたことは、すごく勉強になりました。“愛は罪深いことだ”という意味を、少しわかったような気もしています」と香寿。

けいこ中に宝塚を訪れた春江さんは、「脚本を読んで、私の本のメッセージが十分反映されていると思った。重い内容の話を、華やかなタカラヅカでどう表現されるのか、楽しみですね」と激励していた。

 



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トップになって、組子がいとおしく感じられる」という香寿たつき


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阪急百貨店「春の阪急祭」で1日店長を務めた香寿=3月28日
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