いよいよ! フジテレビの宝塚ドラマ

 01/12/27 産経新聞東京朝刊
 Text By YANAGIYA,Shouko/柳谷昇子@東京文化部

大正3年の創立以来、ファンを魅了し続ける宝塚歌劇団。戦争という悲劇の中で、この宝塚の舞台に夢をかけた五人のタカラジェンヌの愛と青春を描く、2夜連続の大型ドラマが完成した。

昭和11年、トップスター・嶺野白雪(藤原紀香=写真中央)にあこがれ、4人の女性が入団してきた。

元伯爵家の令嬢・橘伊吹(木村佳乃)=同左から2人目、女の自立を舞台に求める室町エリ(米倉涼子)=同右端、ある秘密を抱える星風鈴子(中谷美紀)=同右から2人目、純朴な紅花ほのか(春花)=同左端

やがて4人は初舞台を踏むが、戦争が始まるとともに、厳しい現実に直面し…。

2つ返事で本作への出演を引き受けたという藤原はいう。

「やっと完成しました。(撮影中の)2カ月間、私たちはタカラジェンヌになりきってがんばりました。戦争のこと、平和のことを少しでも考えるきっかけになればうれしい」

幼いころ、母親と祖母から宝塚入りをすすめられたことがあるという木村は振り返る。

「時代背景が戦争ということで、“死”について考えました。亡くなった祖母に聞いた話を思いだしながら、戦争の中を生きぬいた女性を演じることが大変でした」。

物語の展開に合わせて減量をした中谷が「本(脚本・大石静)がいいだけに(演じる側にとって)プレッシャーがありましたが、この作品は私にとっての宝です」と言えば、春花は「フラれるシーンで笑っていただければ…」。

また、男役を務める米倉はこの作品のために初めてショートヘアにした。「男以上に男を出したい」と撮影に臨み、過密スケジュールの中でほとんど寝ていない日もあったというが、「宝塚歌劇団の人たち以外で舞台に立てたのは珍しいこと。見どころでもあります」と満足げ。

劇中劇は兵庫県宝塚市の本拠地・宝塚歌劇場の全面協力を得て実現した。その華やかな映像と、戦争に翻弄(ほんろう)される人間ドラマの対比も見どころだ。

藤原紀香、木村佳乃、米倉涼子、中谷美紀、春花

「愛と青春の宝塚〜恋よりも生命よりも〜」
(フジ系、1月3・4日後9・0)
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