花組 大鳥れい インタビュー

 01/12/22 産経新聞東京夕刊
 Text By TAKUBO,Oko/田窪桜子@東京文化部



−−『カナリア』のアジャーニという役は?

主人公のヴィム(匠ひびき)は、悪魔学校の卒業試験のため人間界に降りてきた悪魔です。試験課題は最初に出会った人間を徹底的に不幸にすること。そのターゲットになるのがアジャーニ。アジャーニはもともと、どうしようもなく不幸なんです。不幸にしようとヴィムが策を練るたびに、裏目裏目にでてしまうんですよ。

−−ははあ、それはおもしろいですね

アジャーニは泣いてる間もないぐらい不幸なんですけど、強くて一生懸命で、普通の女の子。大芝居的な宝塚らしいヒロインが多かったので、普通の女の子は初めて。現代物も久しぶり。私の地に近いキャラクターになってます。

−−コミカルな内容なんですね?

ずっとおけいこしている私も笑ってしまう楽しい作品。でも、ドタバタやギャグではなくて、シチュエーションとかキャラクターで笑わせます。ヴィムも見た目は格好いいのに、やることなすことうまくいかない。それがまた格好よく見えてくる。ファンタジックでリアルなコメディーです。

−−難しいところは?

ヴィムが悪魔と気づくときの演技かな。お化けに合ったときの反応ってどうかなと考えたりするけど、演出の先生の要求は「今までのヒロインのようにキャー! じゃだめ」。関西人なんだからそのノリでなんて言われてます。これまで経験し学んだことを信じて、思いっきりはじけて演じようと思っています。

おおとり・れい 大阪府出身。平成5年、『BROADWAY BOYS』で初舞台。花組に配属。7年、新人公演初ヒロイン。11年、『夜明けの序曲』で花組トップ娘役に。『カナリア』(1月4−13日、東京・ル テアトル銀座)では花組新トップスター、匠ひびきの相手役となる。

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