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産経新聞提供 SUMiRE STYLE
5月21日(火)大阪夕刊グラフ面
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雪組 壮 一帆
キリッとした気鋭の“すみれ”

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鏡に向かって、けいこに励む壮一帆さん。背筋の伸びた美しい立ち姿が印象的だ。高校時代に剣道部で教え込まれた礼儀作法が身についているのだろう=兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団けいこ場 写真をclick
「清く 正しく 美しく」。宝塚歌劇の創設者、小林一三翁が残した教えは、団員たちの心の中に脈々と生き続けている。現代人が忘れかけた「心」が、この言葉に込められているのだ。

その「心」を受け継ぐ1人が、雪組研究科7年、壮一帆(そう・かずほ)さん。乗客のモラル低下が叫ばれる中、阪急電鉄が展開するキャンペーン「阪急マナー劇場」のイメージキャラクターを務め、明るい車内づくりをアピールする。

兵庫県川西市出身の壮さんは、小学生のころから祖父に連れられて大劇場へ通ううち、中学3年の時に、宝塚音楽学校を目指すことに。高校進学後には、受験に備えてミュージカルの勉強を始めた。

同時に、クラブ活動は剣道部を選んだ。いま気鋭の男役を演じる壮さんのきりりとした美しい立ち姿は、剣道で身につけた礼儀作法が生きているのだろう。

そんな壮さんだが、音楽学校の2次試験では振り付けが覚えられず棒立ちに。また、入学後も想像を超える厳しい授業に悔し泣きしたこともあったが、一度として辞めたいと思ったことはなかったという。

壮一帆
「女らしい仕草は苦手」と言いながらも、舞台では見られない優しい素顔を見せてくれた壮さん 写真をclick
空いた時間は自主けいこに励むという必死の努力が実を結び、平成8年に『CAN−CAN』で初舞台。その後、様々な役を順調にこなし、成長を続ける壮さんも、舞台の怖さを知ることに。

若手の登竜門となるバウホールでの『マノン』でミゲル役を演じた時、主役との演技中にせりふを忘れてしまったのだ。頭の中が真っ白になり、ほんの2、3秒のことが数十分、数時間にも感じられたという。

この貴重な経験で、真のプロ意識に目覚めた壮さん。今月24日から始まる雪組公演『追憶のバルセロナ』と『ON THE 5th』に出演。『追憶』の新人公演では主役のフランシスコ役を演じる。

「人はみんな、どこかに魅力を持っている。その魅力を吸収して、より深い演技を目指したい」と目を輝かせながら話す壮さんに、“若きすみれ”たちの心を見た思いがした。


text & photo by 土井繁孝
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