spacer.gif
spacer.gif
spacer.gif
0520cc0000.gif
産経新聞提供 SUMiRE STYLE
6月6日(木)大阪夕刊
spacer.gif
spacer.gif
宝塚大劇場雪組公演「追憶のバルセロナ」
絵麻緒ゆう ラストの舞台に情熱

雪組の新トップ・コンビ、絵麻緒ゆうと紺野まひるの最初で最後の宝塚大劇場公演。加えて専科の成瀬こうきともどもサヨナラ公演になるが、しめっぽさは全くない。それぞれが個性に合った適役をのびのびと演じ、ラストの舞台に情熱を集中して輝いている。

「追憶のバルセロナ」(正塚晴彦作・演出)は、1800年代のスペインを背景に描く恋と友情の活劇。バルセロナの貴族の息子フランシスコ(絵麻緒)は、フランスとの戦争で重傷を負い、ジプシーの娘イサベル(紺野)の必死の看病で一命を取り留めたが、記憶を失った。その間に父は処刑され、婚約者(白羽ゆり)はフランス軍に協力するようになった親友のアントニオ(成瀬)と結婚した。記憶が戻ったフランシスコは伝説の英雄“黒い旋風”に扮(ふん)し、ジプシーのロベルト(朝海ひかる)らと力を合わせて占領軍と戦う。

回り舞台を効果的に使った舞台転換がスムーズで、少なく抑えたセリフは無駄がなく、一言一言がピシッと決まって、間もいい。さすがの味わいを見せる密偵役のベテラン、未沙のえる(専科)の使い方も、座付き作者ならではの配役の妙。コスチュームプレーの華やかさもあり、久々に正塚演出の小気味良さを楽しめた。

「ON THE 5th」(草野旦作・演出)は、米ニューヨークの五番街をテーマにしたショー。振付家のランディ・スキナーを招いて意欲的に取り組んだタップダンス、52人の大ロケットなどの群舞はタカラヅカの真骨頂だ。ツインタワービル崩壊のテロ事件の鎮魂は恋人たちのせつない別れで表現し、退団する三人の見せ場もさらりと取り入れて、手際がいい。オープニングの前から、恒例の大階段のフィナーレのあとにプラスしたパレードまで、アレッと驚く“遊び”がいっぱいで目が離せない。

7月8日まで。


texted by Hiramatu,SUMIKO/平松澄子
spacer.gif
Other Sites
ENAK TOP PAGE
SUMiRE STYLE
ご意見・ご感想を!


ENAK;SUMiRE STYLE
産経Webに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産經・サンケイ)
Copyright 2002 The Sankei Shimbun. All rights reserved.