専科　成瀬こうき　平成３年入団　東京都出身

タカラヅカに入りたいと思ったのは、舞台上の人たちが光輝いて見えたから。

自分もそうなりたい。なせば成る。そんな気持ちを芸名に込めた。

「ウチは３人兄妹の名前に全部『き』が入っているんです。それが気に入っていて芸名にもつけたかった。だからまず、『こうき』を考えて、上の名前は自分がスッと入れるものにしました」

愛称は、なるちゃん、おっちょん。

エキゾチックな容姿が際立つ長身の男役。早くから大人っぽい立役など大役を演じることが多かった。

「下級生のころは背伸びする役ばかりで必死すぎた。ここ数年はようやく等身大の役が来るようになって、芝居のおもしろさもわかってきて充実感があります。専科は個人として活動できるので、ずっと前から行きたいと思っていた」という。

現在、宝塚大劇場の雪組公演「追憶のバルセロナ」に、主人公・フランシスコ(絵麻緒ゆう)の親友アントニオ役で出演中(７月８日まで)。この東京公演を最後に、９月２３日で退団する。

「これまで宝塚にすべてを注いできたので、ほかのことにも興味があるし、いずれは結婚もしたい。いろんなことを冷静に考えて、今が卒業するのにベストな時期だと思って決めました。最後まで舞台に命を注いでやりますから、見守っていてください」と締めくくった。