雪組　音月桂 　平成10年入団　埼玉・鴻巣市出身 （宝塚歌劇団提供）

バレエを習っていた恩師が元タカラジェンヌの文月玲(ふづき・れい)。その１字の「月」をもらい、本名の「桂」をそのまま名前に使って、あとはいい字画を合わせて決めた。

「宝塚のことは全く知らなかったんですが、踊りや芸事に興味があって、恩師にすすめられて受験しました。『桂』は両親の強い希望と、私も大好きな名前。覚えやすくていい芸名だと思っています」

愛称は「ＫＩＭＵ」。

伸び盛りの男役のホープ。得意なダンスで早くから注目され、入団３年目で新人公演「猛き黄金の国」の主演に抜てきされた。「１人の人間の生涯を演じるのがすっごく難しかった」と振り返る。

現在は宝塚大劇場公演「追憶のバルセロナ」で、貴族の家の使用人、フェイホオをコミカルに演じている。２５日の新人公演では、ジプシーのロベルト役に挑戦する。

「フェイホオは決して３枚目ではなく、本人は真剣にやっていることが、間が悪かったりしておもしろく見えるという役。ロベルトは逆に、男らしい役なのでスッとした感じでやりたいですね」

今は芝居が楽しいそうだが、ちょっとした壁にも当たっているらしい。「私は役を作り過ぎるところがあるので、できるだけ自然に、リアルな芝居を心がけるようにしています。いろんな役をやって、もっともっと引き出しを増やしたい」とひたむきだ。