
宝塚歌劇団で男役として人気の高い汐風幸が、ノエル・カワード原作のラブ・コメディー「私生活」(演出・竹邑類)で新婚の妻を演じる。初めての本格的な外部出演は歌も踊りもないストレートプレイで、おまけに女性役。「新しい自分が生まれる期待があります」と意気込みを語る。
「私生活」の初演は1930年。アマンダ(水谷八重子)は、再婚相手のビクター(立川三貴)と海辺のリゾートホテルにハネムーン。ところが、隣室にはアマンダの前夫、エリオット(岡田真澄)と初婚の妻、シビル(汐風)が泊まっていた。偶然再会したアマンダとエリオットは急接近、お互いのパートナーを残して恋の逃避行−。
主演の水谷の推薦に「何で私なんかがというのが本音ですが、大変ありがたいこと。やる気満々です」と汐風。
専科制度で可能になった外部出演だが、女性役について、「宝塚は作り込む舞台。だから今回は、ナマの自分が強く出るのはないかと、それも緊張のひとつです。実はわたし、スカートも持っていないんです。この機会に買ってみようかな」と笑わせる。
小人数の舞台も初めて。「全く未知の世界。出演者はベテランの方ばかりなので、皆さんや演出家の先生に身を委ねたいですね」といいながら、「岡田さんは日本人の男性には出せない存在感や空気がある魅力的な人。その辺を盗ませていただいて、タカラヅカでいかしたい」と、“本職”の男役としての勉強も怠りないようだ。
29、30日に新神戸オリエンタル劇場で。
7500、5500円。
TEL078・291・9999。