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産経新聞提供 SUMiRE STYLE
6月28日(金)速報
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宝塚星組東京公演始まる
貫くということの意味を教えてくれる

LUCKY STAR!LUCKY STAR!


プラハの春 宝塚歌劇団星組は28日午後3時半から東京・日比谷の東京宝塚劇場で「宝塚グランド・ロマン『プラハの春』」(脚本・演出 谷正純)「グランド・レビュー『LUCKY STAR!』」(作演出 谷正純)の公演を始めた。8月11日まで。

「プラハの春」は、外交官出身の作家、春江一也の小説が原作で、1968年のチェコスロバキアの改革背景に織りなされる日本人外交官と東ドイツの反体制活動家の女性との激しくも切ない愛の行方を描く。

LUCKY STAR! 「LUCKY STAR!」は、まさにきら星のごときレビューで、前半はエイトビートを基調にしたロックサウンド、後半はスパニッシュ、ラテンのリズムを用いた音楽が印象的な、情熱的な舞台が展開される。
■原作と舞台の堀江亮介たち
社会主義からの脱皮をはかるチェコスロバキアに赴任した日本の若い外交官、堀江亮介(香寿たつき)と東ドイツの反体制活動家、 カテリーナ(渚あき)の運命的な出会い、その行方を「プラハの春」と呼ばれた改革運動と絡めて描く「プラハの春」は、外交官出身の春江一也の同名小説(集英社文庫)が原作だが、結論からいうと読む前に見るほうをお勧め。

脚本・演出の谷正純は、原作を巧みに組み立て直し、体制と愛との対比を抽出することでより強烈な物語に仕立てている。この過程でいくつかの設定を原作とは変えている。したがって、原作を先に読んでいるとその差異に気をとられて、舞台がつむぐ物語の世界に入り込むタイミングが遅れるかもしれないからだ。

原作のほうではたとえば堀江の同僚、稲村喜弘(彩輝直)は、恋人テレザのために外務省を去る決心をはなからしている。物語の当時、外交官が東側体制の人間と結婚することは許されなかったからだ。この稲村のしなやかで、おだやかな決断が、堀江の、カテリーナへの思いの背中を押す。

舞台の稲村は、もっと激しく果敢な人物で、軍事介入してきたソ連軍にテレザの母親が射殺されるのを目の当たりにしてテレザと生きることを決断する。

カテリーナが勤める大学のシュテンツェル講師(英真なおき)は、舞台と同様に、ひょうひょうとした老人だが、ある悲劇と痛切な愛とを背負って生きている。原作のシュテンツェル講師は、そのまま宝塚の舞台にもってきてもよいような人物造形だが、もちろんそうしては堀江とカテリーナとプラハの春の挫折という3者の対比による鮮烈な舞台の焦点はぼけてしまっていただろう。

そんなわけで、まず舞台を楽しんでから原作を読むことをおすすめする。舞台が「抽出」することでテーマを浮き上がらせたのに対し、小説はより深い謀略と追いつ追われつのサスペンスなどが複雑に絡み合って悲劇のラストに向かって物語は進行する。


By Ishii,TAKESHI/石井健


※Choice Snapの中の写真は不定期に変わりますので、時折のぞきにきてください
(07/12現在 choice 4)
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