宝塚歌劇団OGと現役生だけによる初の一般公演「ミュージカル『シンデレラ』」(リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタインII世作詞・台本、酒井澄夫演出)が、東京・新宿コマ劇場で開幕。現役タカラジェンヌからは専科の樹里咲穂と花組の遠野あすかが出演。鳳蘭をはじめ大先輩たちに囲まれ奮闘する2人に意気込みを聞いた。
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「先輩方のようにいい年輪を重ねたい」と話す樹里咲穂(右)と遠野あすか |
「シンデレラ」は平成7年から3年間、同劇場で“ファミリー・ミュージカル”として上演。今回は、演出を一新して上演となった。
出演はシンデレラに遠野、王子に樹里。共演には鳳蘭、初風諄、榛名由梨、瀬戸内美八、峰さを理、高汐巴ら元トップスターがずらりと並ぶ。宝塚OG総出演。これだけの「顔」がそろうのは異例のことで、ファンにはたまらない。
「製作発表では一生分ぐらい緊張した」という樹里は「皆さん、自分のやるべきことを完璧(かんぺき)にこなしていた。前向きに演じるペースにこちらがまきこまれた」という。
遠野も「先輩方はすごく懐が深く、学ぶことがたくさんありました。精神的に充実していて、けいこに行くのが楽しかった」と振り返る。
シンデレラといえばよく知られたストーリーだが、舞踏会のシーンなど宝塚ならではの華やかさが随所に登場する。子供向けのおとぎ話から、「心から願えば夢はかなう」をテーマにした大人のファンタジー・ロマンに仕上がっている。
「大人が何も考えずに、現実を忘れさせてくれる作品です」と遠野。
樹里は「夢の世界の楽しさを前面に打ち出しています。こんなに二枚目でハッピーエンドな役は久しぶり。見ているだけで主人公の気分になれる。きっと幸せになれると思います」と強調した。
29日まで。問い合わせは新宿コマ劇場TEL.03-3200-2213。