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「あこがれのエリザベートを演じられるので悔いはありません」と語る大鳥れい=27日、兵庫県宝塚市 |
「あこがれでもあり、夢でもあったエリザベートをやらせていただくことになったときに、退団を決めました。今、すごく充実しています。悔いはありません」
宝塚歌劇団の花組娘役トップスター、大鳥れいが来年2月9日で退団することになり、27日、兵庫県宝塚市で記者会見した。
宝塚歌劇の大ヒット作「エリザベート」の4度目の公演が花組に決まり、大鳥がタイトルロールのエリザベートを演じることが明らかになったのは今春。そのすぐあとの4月に、この作品で花組トップスターに昇格する春野寿美礼と一緒に、舞台となるオーストリアのウィーンに旅行したそうで、春野だけにはそのときすでに、退団の意思を伝えていたという。
大鳥は大阪府池田市出身で、平成5年に入団。大人っぽい美貌(びぼう)と舞台度胸のよさが魅力の娘役で、生粋の花組育ち。
11年に愛華みれの相手役としてトップ娘役に昇格し、13年からは匠ひびき、今年8月からは春野と、3代のトップの相手役をつとめてきた。
「3人のトップさんは、それぞれ違う個性があって、私はその魅力を一番近くて感じることができました。卒業されるたびに、私もやめようかと何度も悩みましたが、自分という役者を変えていく作業も楽しかった。一番印象深いのは、やはりトップになって初めての『夜明けの序曲』の貞奴ですね。いろんな役にめぐりあえて幸せでした。みなさんに励まされ、支えられて、これまでやってこれましたが、退団には今がこれ以上ないタイミングだと思います」
さよなら公演となる「エリザベート−愛と死のロンド−」は、宝塚大劇場公演が10月4日−11月18日で、東京宝塚劇場公演が来年1月2日−2月9日。
「タイトルロールですばらしい花道を飾って、大鳥を送り出したい」と植田紳爾・宝塚歌劇団理事長。
大鳥は「ビジュアル的にも実在に近い、私なりのエリザベート像をポリシーにして、2月9日まで舞台で息づきたいと思っています」と話した。
退団後については、「まだ何も考えられませんが、もし機会がいただければ、舞台が好きなので男の人を相手にお芝居をしてみたい気持ちはあります。欲張りだから結婚もしたいですね」と話し、女優を続けたい意向を示した。
花組の次の娘役トップには、遠野あすかの名前が取りざたされている。