宝塚歌劇団が戦前に製作した映画のうち5作品のフィルムが、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の倉庫などで発見された。10月26日から11月3日まで開催される第3回宝塚映画祭で公開する。同映画祭実行委員会が30日、発表した。
 | 宝塚歌劇団が戦前に製作した映画5作品が収められたフィルム
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実行委員会によると、昭和初期は映画製作が盛んで、宝塚歌劇団も1938−41年ごろ、若手を中心に長短編の娯楽などを10本以上撮った。
当時の資料室長で現名誉理事の渡辺武雄さん(88)らが89年、大劇場建て替えの際に、倉庫などで昭和初期から昭和40年代のフィルム約130本を発見。大半は舞台公演の記録だが、最近になって戦前の映画5作品が含まれているのが分かったという。
5作品は、うち4作品が娯楽映画で、開戦前夜の社会情勢を反映し、作品名や物語背景が勇ましいが、宝塚ファミリーランドでロケをした作品もあった。
最初期の「軍国女学生」は、主人公の兄が中国に出征する話を交え、女学生の日常を描いた学園ドラマ。当時のトップスター、葦原邦子も出演している。
早い時期の作品は、歌劇団の生徒が男性役も演じたが、40年以降の作品は女性役だけ。新聞などで「不自然だ」と批評されたという。
渡辺さんは「戦前に映画をつくったのは知っていたが、現物が残っているとは。宝塚の歴史を記し大変貴重だ。多くの人に見てもらいたい」と話している。
問い合わせは同映画祭実行委員会、電話0797(78)1680。