紫城(しじょう)るいさん、月組研究科6年。9月に上演された月組公演『長い春の果てに』と『With a Song in my Heart』に出演した。『長い春』の新人公演ではヒロインのエヴァを演じた。
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宝塚ホテルの中庭を訪れた紫城さん。美しい仕草は、小2から始めたバレエのレッスンのたまもの=兵庫県宝塚市の宝塚ホテル |
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紫城さんが宝塚を志望したのは高校の時。母親と一緒に見た『ブルボンの封印』がきっかけ。「女の人だけでこんなにすごい芝居ができるんだ」と感動し、「宝塚の舞台に立ちたい」と、想いをつのらせた。
小学校2年からバレエを始めた紫城さん。父親の反対を、母親の強い応援で乗り切り、平成7年に音楽学校に合格した。
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『長い春の果てに』の新人公演でヒロインのエヴァを演じる紫城さん。娘役としてピュアな自分を見せたいと話す=宝塚大劇場 |
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バレエのレッスンで厳しい上下関係を学んだ彼女も、「こんなに厳しいとは思わなかった」と学生時代を振り返る。
なかでも先輩の指示は絶対だった。それでも先輩の留守には「少し羽目をはずして、友達とはしゃいだのは楽しい思い出」と話してくれた。
憧れつづけた初舞台は、平成9年『仮面のロマネスク』。「まるで違う空間、夢の中にいる気分だった」という。
紫城さんは今年、男役から娘役に転向した。「男役をきれいに見せるのが娘役、女だから娘役ができると思うのは間違い」と、男役では分からない苦労に、はじめて気づいた。
娘役として新人公演の主役を演じた紫城さん。「すべてが初めて、やるべきことはたくさんある」と、新しい演技を探し求める彼女に、客席から大きな拍手が贈られた。
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歌劇団への登竜門となる宝塚音楽学校へ登校する生徒たち。礼儀を重んじる同校ではあいさつから1日が始まる
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宝塚を目指す少女が、最初にぶつかる難関が宝塚音楽学校だ。
試験科目は面接、声楽、バレエだが、東大に入るより難しいといわれ、競争率は48倍を記録したこともある。
大正2年に宝塚唱歌隊としてスタートし、4000人近い劇団員を生み出した宝塚音楽学校。未来のスターを夢見る少女たちは、歌劇団への登竜門となる同校をめざし、レッスンに励む。